久しぶりに読書の話題。最近読書量がガクッと落ちている。美術展に行って図録を購入したときは図録に一生懸命目を通す。また講座の資料も目を通す。だから最低限の読書はこなしてはいるが、読むことの楽しみからは遠ざかっている。それを今年は思い出したいと思った。
何を読むか、年が明けてから本屋でいろいろ眺めていた。その時、おとといの講座で古事記・日本書紀関連のものに応募したことを思い出した。
日本書紀は昔通勤電車の中で、岩波文庫で全5冊を読み通したことがある。意外とスラスラと読むことができた。源氏物語などよりずっと楽であった。一度は通読してみるといいものだと思った。壬申の乱のところは昨年受講した講座をきっかけに通読したが、大筋で誤読はしていなかったと思う。理解の足りなかったところはむろんたくさんあったが‥。
日本書紀や古事記などの古い文献についていえば、私たちには誤解・誤読のない読書などはあり得ないし、大学生のように精読する必要はないと思う。せっかく手軽なテキストがあるのだから誤解・誤読など恐れずにとりあえず読んでみた方がいいと思う。読めば天武朝やその直後の新たな日本という国家形成の頃の息吹が、何となく伝わってくる。
その物語を無批判に受け入れたり、自分の思い込みに引き付けて敢えて誤読に近い解釈や牽強付会はよくないが、とりあえず読んでみるという姿勢は必要だと当時も今も思っている。最初はやはり読みにくかった。特に神話の部分は読みにくい。だから最初は継体朝以降から読んでみた。その後文章に慣れてから最初に戻ったのだが、これが良かったようだ。どこまで理解できたかは別として‥。
中国や朝鮮半島の国際関係を念頭に、国家というものをどのように成り立たせようとしたか、また他の氏族との関係をどう整理しようとしたか、どこに腐心しながら国家を成り立たせようとしたかそれとなく匂ってきたようには思う。随分と他の氏族に配慮しながら、その危うい均衡の上に天皇制を構築しようとしたか、類推する刺激を味わったと思う。
その後、今度は古事記に挑戦しようと思ってそのままになっていた。本日岩波文庫の古事記を手に取って、再度挑戦してみようと考えた。
そしてもう一冊、実は岩波文庫で「西行全歌集」というのが目についた。昔久保田淳の編集による西行全集全一冊を高価であったが無理をして購入した。全体を目を通したわけではないが、聞書集、聞書残集、山家心中集を鉛筆で印をつけながら読んだ。今となっては何に感動したのかはわからない。否それ以前にどれだけ意味をくみ取っていたか、まったく自信がない。ただ印だけが残っている。「たはぶれ歌」も何回も読んだ。しかもこの全集、とても重くて電車の中や喫茶店に持ち込んで読むことはできない。
今回見た岩波文庫の「西行全歌集」は持ち運びに便利だが、原文と注釈だけで読みこなす自信はなくなっている。そこで昔の感を取りもどすよすがとして、訳のついた注釈書が他の文庫にないか見てみたら、角川ソフィア文庫に「西行-魂の旅路-」というのがあった。全60首の解説である。
当面この二冊と、もう一冊「不朽の名画を読み解く-見ておきたい西洋絵画70選-」(宮下規久朗、ナツメ社)を並行して読んでみることにした。
先日このブログに記した「名画の謎」(中野京子、文芸春秋)は読み終えたが、少々私にはくどいというか、饒舌すぎる語り口に閉口した。(著者にはゴメンナサイとあやまるしかないが‥)読んでも心に残らないのだ。歴史から美術史から、描かれた当時の逸話まで、私の知らないことがこれでもかこれでもかと書き並べてあった。博識であるが、どうも記憶に残らない。
切り口を変えて、入門書的・教科書的なものとして今回この本を選んでみた。この本はだいぶ以前に購入はしていたが、積ん読の状態であった。
この三冊、同時に読むとしても最近読書量・スピードも極めて低下してきたのが心配だが、とりあえず挑戦してみることにした。いつまでかかるやら。こうやって宣言しないとなかなかはかどらないようだ。
何を読むか、年が明けてから本屋でいろいろ眺めていた。その時、おとといの講座で古事記・日本書紀関連のものに応募したことを思い出した。
日本書紀は昔通勤電車の中で、岩波文庫で全5冊を読み通したことがある。意外とスラスラと読むことができた。源氏物語などよりずっと楽であった。一度は通読してみるといいものだと思った。壬申の乱のところは昨年受講した講座をきっかけに通読したが、大筋で誤読はしていなかったと思う。理解の足りなかったところはむろんたくさんあったが‥。
日本書紀や古事記などの古い文献についていえば、私たちには誤解・誤読のない読書などはあり得ないし、大学生のように精読する必要はないと思う。せっかく手軽なテキストがあるのだから誤解・誤読など恐れずにとりあえず読んでみた方がいいと思う。読めば天武朝やその直後の新たな日本という国家形成の頃の息吹が、何となく伝わってくる。
その物語を無批判に受け入れたり、自分の思い込みに引き付けて敢えて誤読に近い解釈や牽強付会はよくないが、とりあえず読んでみるという姿勢は必要だと当時も今も思っている。最初はやはり読みにくかった。特に神話の部分は読みにくい。だから最初は継体朝以降から読んでみた。その後文章に慣れてから最初に戻ったのだが、これが良かったようだ。どこまで理解できたかは別として‥。
中国や朝鮮半島の国際関係を念頭に、国家というものをどのように成り立たせようとしたか、また他の氏族との関係をどう整理しようとしたか、どこに腐心しながら国家を成り立たせようとしたかそれとなく匂ってきたようには思う。随分と他の氏族に配慮しながら、その危うい均衡の上に天皇制を構築しようとしたか、類推する刺激を味わったと思う。
その後、今度は古事記に挑戦しようと思ってそのままになっていた。本日岩波文庫の古事記を手に取って、再度挑戦してみようと考えた。
そしてもう一冊、実は岩波文庫で「西行全歌集」というのが目についた。昔久保田淳の編集による西行全集全一冊を高価であったが無理をして購入した。全体を目を通したわけではないが、聞書集、聞書残集、山家心中集を鉛筆で印をつけながら読んだ。今となっては何に感動したのかはわからない。否それ以前にどれだけ意味をくみ取っていたか、まったく自信がない。ただ印だけが残っている。「たはぶれ歌」も何回も読んだ。しかもこの全集、とても重くて電車の中や喫茶店に持ち込んで読むことはできない。
今回見た岩波文庫の「西行全歌集」は持ち運びに便利だが、原文と注釈だけで読みこなす自信はなくなっている。そこで昔の感を取りもどすよすがとして、訳のついた注釈書が他の文庫にないか見てみたら、角川ソフィア文庫に「西行-魂の旅路-」というのがあった。全60首の解説である。
当面この二冊と、もう一冊「不朽の名画を読み解く-見ておきたい西洋絵画70選-」(宮下規久朗、ナツメ社)を並行して読んでみることにした。
先日このブログに記した「名画の謎」(中野京子、文芸春秋)は読み終えたが、少々私にはくどいというか、饒舌すぎる語り口に閉口した。(著者にはゴメンナサイとあやまるしかないが‥)読んでも心に残らないのだ。歴史から美術史から、描かれた当時の逸話まで、私の知らないことがこれでもかこれでもかと書き並べてあった。博識であるが、どうも記憶に残らない。
切り口を変えて、入門書的・教科書的なものとして今回この本を選んでみた。この本はだいぶ以前に購入はしていたが、積ん読の状態であった。
この三冊、同時に読むとしても最近読書量・スピードも極めて低下してきたのが心配だが、とりあえず挑戦してみることにした。いつまでかかるやら。こうやって宣言しないとなかなかはかどらないようだ。