










さて、妻は初詣の雰囲気が好みらしい。そういう私も自覚的に不信心であることが誇りのような生活を送っているが、他人の信仰そのものを否定するつもりもないし、初詣の雰囲気は嫌いではない。特に日当たりのいい神社・仏閣の敷地を訪れるのは悪くない。石碑などを読んだりするのも悪くない。
そんなこんなで、妻に連れられて三が日の内2日間は初詣に出かける。妻は拝所にまで行って賽銭を出して何かを祈っている。またその年の干支の置物を買うのも趣味となっている。この干支の置物は一年間テレビの前に鎮座することになる。
ことに我が家の傍の旧東海道神奈川宿にある大綱金刀比羅宮と、東京都の大森駅と大井町駅の間にある鹿嶋神社(神宮ではない)の干支の置物がお気に入りである。
今年も元日は神奈川宿の洲崎神社と大綱金刀比羅宮にでかけた。ここは例年訪れる。まず洲崎神社で参拝後、干支の置物を毎年見るのだが、決まって気に入らずに出てくる。その足で金刀比羅宮で干支の置物を購入する。ここの置物はよそに比べて少しだけ大きめ。干支の動物の表情がなかなかいいという。
参拝者は洲崎神社の方が多い。多いといっても並ぶのは5分程度。金刀比羅宮は数人待つ程度。しかし雰囲気は悪くない。金刀比羅宮の方が日当たりもいいし、横浜の港の方のビルも見渡すことができて明るい。社務所の中の人の顔も明るい。
どちらも私は境内での参拝はしない。カメラのシャッターを押すことに専念している。
例年この妻の参拝と干支の置物を揃えることが済むと、横浜駅周辺で開店している喫茶店を探して一服してから帰宅する。これが元日の恒例の行動である。

二日目は、大体が親族のいる大森駅に出向いて親族と会食をする。その会食の前に鹿嶋神社を訪れ、金刀比羅宮よりは小さめの干支の置物を手に入れる。この鹿嶋神社は鬱蒼とした大木に囲まれていて決して広くはない敷地だが、いつも薄暗い。洲崎神社よりも少し広いかもしれないが、大森貝塚のそばにある。大森駅周辺とは思えない静かなところである。社殿の横にある大きな提灯の灯がいつも暖かく頼もしげについているのが面白い。こちらの神社元日はかなり人が訪れて、敷地の外まで長い列が続くが、二日・三日ならば10分と待たないで済む。いつも露店が2つほど出ている。
亡くなった叔父が二日にいつも参拝していて、付き添って一緒に行っていた。近くに日枝社も成田山別院もあり、3か所続けて以前はおもむいていたが、最近は妻も鹿嶋神社だけに行くようになった。
今年はこの鹿嶋神社に行く前に、上野の寛永寺に行きたいと言いだし、西郷象の横の観音堂と、不忍池の弁天堂に行ってみた。
観音堂は思っていたほど人は並んではいなくてすぐに参拝できたようだ。干支の置物は気に入らなかったようだ。その足で弁天堂に行ったら100メートルほどの列ができていてここは妻も参拝は断念した。不忍の池を一周して御徒町駅まで歩いてから大森駅に向かった。







