シンプルな映画というべきか、プロットだけで支えられている映画というべきか、根幹は人間の生、死、老若男女、自然との営み、家族、それらがテーマなのであるが、言いたいことは分かるが、河瀬直美監督はまだお若いのである。
年齢が若いと言っているのではない。このプロットで一本の映画を作ろうとするのなら、劇映画では甘すぎると言っているのである。
ドキュメンタリー映画では映像で人生の一部を切れ端にすればいいのでし . . . 本文を読む
見るまでは題名がどうもストレート過ぎて引いていたのは事実で、気乗りしないまま見ていた。しかし、思っていたより、素朴な特攻隊の人々の描写にすぐそんな気持ちは忘れ去っていた。
視点が全く地平線を見るようにナチュラルなのである。一人一人の、ある意味死刑宣告を受けた人たちの心のさまよい、それを受け止めなければならない家族、世話をする人たちの話なのである。
この視点から映画を撮っているので、世間で言われるよ . . . 本文を読む