冒頭ノリオが登場する。若くはない。いや、もうすでに老人である。そこに同じく老人たちが一人一人訪ねてくる、、。ノリオが殺人を犯したのが19歳の時だから、それから数十年経っているのか、と分かってくる、、。
このように面白い設定で、彼の死刑寸前の懊悩状況からこの劇は始まる。
脚本、演出もウイングフィールドという小さな劇場を十分に意識し、これ以上ない出来の劇である。演劇的には本当に素晴らしい出来で、目 . . . 本文を読む
米澤の古典部、僕にとっては第2作目。短編集かなあと思っていたら、第1章を読んでまだマラソンの初め。そう、今回は長編ものだ。
マラソンをだらだら走り、または歩きながら後ろから駆けてくる一人一人に尋問してゆくという、ユニークな構成に新風を感じる。この手の高校生ものではぴったしの感覚で、大いに気に入る。
まあ、言われてみればそうなんだ、という奉太郎の指摘に、アッと驚くどころか、そんなの、あのちょっと . . . 本文を読む