やはり現代劇でないタイ映画ではアクション映画だけに撮影シーン、アクション演技等で幼稚な部分を垣間見てしまうが、それは僕らがハリウッド系の映画を見慣れているせいで、大きな心で鑑賞すればそれなりに楽しいものなのである。
まあとはいっても、お話も単純でもあるし、俳優も見るべきところがそれほどないので、とどのつまり興味はアクションシーンになるのであるが、タイ式キックボクシングが目新しいところで少々お尻が痛 . . . 本文を読む
11日に急に東京に出張となった。最近忙しく疲れており、行くのさえ面倒くさかったが、前の日から東京に寄ってせっかくだから下北沢へ行ってみようと思った。
昼ごろに羽田に着き、そのまま新宿へ。
確か、武蔵野館でパク・チャヌクの新作をやっていたなあと。
「サイボーグで大丈夫」はまったく今までの彼の作品のイメージを変えてしまうファンタジーラブストーリーだ。でもそこで繰り広げられるのは精神病院という閉鎖的な空 . . . 本文を読む
何気ない通常の若者の生活を描写しながら現代における人間の関わり方、生き方、なぜ人間は生まれてきたのか、人間は何のために生きていくのか、等々結構普通の悩みを一人の無垢な女の子を通して考えていくといった意外とシリアスな舞台だ。
主役の二人の姉妹が驚くほど美しく驚いてしまう。舞台の女優さんはだいたいにおいてそんなに美人でない人が多く、通常は期待していなかったのだが、このお二人は若く美しい。それだけで僕 . . . 本文を読む
パク・チャヌク、こんなにも素敵なファンタジーラブストーリーを作ってしまった。精神病院での患者たちの、患者たちだからこそ成し得れる素敵な個性的ワールドだ。
実際のところ、精神病院という純粋培養の中にこそ、ひょっとしたら彼らたちの深い心の底にはこんな素晴らしい心の襞と通常の人間より数十倍優れた空想力が充満しているのかもしれないなあ、と思わせてくれる。
現代という壁の中で暮らしている一応正常人よりうんと . . . 本文を読む
最近急に仕事が忙しくなった。夜まで続くことが多く、睡眠不足とはこのことをいうのか、疲れがたまってはいるものの体を思う余裕さえない。
で、昨日知り合いのご葬儀があり、その後気晴らしに市川雷蔵祭のやっている難波の千日前国際シネマに行く。先週も行ったが、実にいい企画だ。
当時は家族で映画館はよく行っていた。客席はいつもいっぱいで、通路に人がぎっしりだった。席の奪い合いはものすごく、いつも僕の母が奮闘して . . . 本文を読む
思ったより源氏のストーリーを無理に改ざんすることのない素直な源氏物語であったなあというのがまず感想。
桐壺の更衣の出だしから光の君のどマザコン、藤壺との密会に至るまで限られた時間で簡潔にしかもきっちりとテーマ性までに辿り着く描き方だ。すなわち藤壺への強引な横慕を軸に、彼らの子供(東宮)の将来のために得度する藤壺(母親)、すべての官職を捨て去り謹慎する光の君(父親)は底に仏教的な諦観があるものの完全 . . . 本文を読む
こういう軽い時代劇を見ていると本当に歌舞伎の大衆版って言うか、歌舞伎のノリを映画化して行った当時の時代劇の変遷が分かる。
現実とはまったく違う世界を映画に置き、映画を見ている間は現実から遠ざける涙ぐましい努力さえ感じる。
だからその分ストーリーの甘さなんかどうでもいいことなんだ。楽しめればいいんだ。そんな良き時代をこの映画を見ていてびんびん感じました。
雷蔵のお嬢変化は当時では新鮮だったのではない . . . 本文を読む
難波の千日前国際シネマで「市川雷蔵祭り」をやっている。
実は市川雷蔵って結構有名だったんだけれど、映画館であまり見た覚えがないの早速行って来た。
というのもの市川崑の「ぼんち」はうまくびっくりしたことを覚えている。でもこれもDVDで見ただけで、スクリーンでは今日が初めてなのだ。何かワクワクします。
この千日前国際シネマという映画館も客席数はかなり多く、最近席も改装しゴージャスにはなっている。でもい . . . 本文を読む
40年ほど前の娯楽時代劇から当時の大衆の健全さとエンターテインメントとしての楽しみというか娯楽を楽しんでいる息のようなものを感じた気がする。
しかし、娯楽映画とはいえひとつひとつのエピソードが全体につながってくる伏線のようなものもほとんどなくそれにしても薄っぺらい物語作りであることよ。
女優陣は中村玉緒画俄然一番目立っているが、まあ昔は見られたんですなあ。驚きました。もっといい女優がいっぱい出てい . . . 本文を読む
確かに映像・美術はさすが凝っている。しかし、美しいものの際立って素晴らしいというほどではなく、大衆的な動画と肝心の清盛の内面への入り方の浅さに人間ドラマとして少々不満が残る。
また木暮実千代の西洋風胸開き衣装は何を意図しようとしていたのか不明だし、他作品に比べて演出的にも凡庸で緊密感がない。
不満足だったのはあのラスト。連続テレビドラマの終わりではあるまいし、いかにもこの映画をまるで投げ出した感さ . . . 本文を読む