スタンダードな画面。セリフがほとんど無音。心理描写は作曲者が奏でるピアノ。状況説明は手紙等。これは完全無声映画です。現代において誰もがやってなかったことを実践しようとした【ベンヴェヌーティ】。否、他にもいるよ、現代版無声映画を作った人は。そうだね、でも一つだけ新しい取り組みを彼はしている。それは、、。
肝心要の映像がまるでモネの絵画のように色がしっかり施されているということだ。今までの作家たちは映像にモノクロの美しさを選択していた。彼は新たな挑戦として現代の色を基に現代版無声映画を構築したのだ。
話はプッチーニの艶笑もの、と言ったら実際に人が死んでいるので不謹慎か、とは言っても痴話言である。恐らくイタリアでは有名な事件なので取り上げたのだろう、この話自体にそれほど映画の主題があったわけではないように思えるので、そういう意味で【ベンヴェヌーティ】の高踏的な位置が見え隠れする作品でもある。
絵は奇麗だけど、それだけの映画かな。好みにもよるけど無声映画だったら僕は絶対にモノクロがいいと思う。こういう僕も本当は高踏的なのでしょうか、、。
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