何と言ってもモノクロの映像が素晴らしい。題名のように古い洋館の周囲の木々から洩れる日差し。いやあ、こんな素晴らしい空間に佇めるなら僕も老後はこんな生活をしてみたい、とずっと思って見ている。
話は老女と犬のほとんど二人きりの対話劇。犬は人間より言葉が理解できるようで本当に頼もしい。こんな環境なら一人で十分だ。逆に僕はどちらか先に逝った方が幸福で、残った方が哀れだと思う。そんな素敵な生活。
老女は趣味と言えば覗き見だ。通常は悪趣味。否、犯罪たり得るだろう。そんな軽い気持ちでこのシーンを見逃していたらラストでアッパーブローを食らうことになる。何と快作であることよ。
実際はこんなことはないかもしれないが、映画だけにせよこのラストは痛快である。おかげで老女の死も全く哀しくなかった。なぜなら彼女はすべて生を全うし、至福のまま死んでいったのだから、、。
ただ惜しむらくは所々出現する重層映像は見づらいだけで何の意味も感じなかった。他の映像表現もあったのではないか。
それにしてもいい映画だ。この映画は僕の老後の理想郷ですなあ、、。
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