セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 92本、 演劇 70本

菖蒲 (2009/ポーランド)(アンジェイ・ワイダ) 80点

2013-01-05 14:11:18 | 映画遍歴
アンジェイ・ワイダ。作品は今も発表しているが、かのみずみずしさはとうの昔にチブルスキーと共に彷徨い去った、と思っていた。ところが、まだまだ映画に対する愛が充満しているのをこの映画で知ることになる。キアロスタミと同じく、、。 何か分からないが、中年女性のモノローグが続く。見たことがあるようで分からない風貌。物語後半になって彼女が「大理石の男」「鉄の男」で機関銃のように弁舌けたたましくまくし立て、長 . . . 本文を読む
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恋のロンドン狂騒曲 (2010/米=スペイン)(ウディ・アレン) 75点

2013-01-05 13:06:51 | 映画遍歴
嫌いなのに相変わらずアレンの映画を見ている僕。もういい加減にしろ、と自分自身にのたまっている。この映画、冒頭に画面外の声が。「人生は剣幕ばかりの空騒ぎ。意味など何一つない。」 本来はこの格言を聞いたら即映画館を出なければならない。この映画の凝縮したエッセンスを知った後でこの映画を見る価値があるのか! いやあ、それでも映画料金は回収しなければ、ね、という卑しい根性を持つ僕はこの映画を楽しく、シニ . . . 本文を読む
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拝啓、愛しています (2011/韓国)(チュ・チャンミン) 70点

2013-01-05 11:39:29 | 映画遍歴
韓国も日本同様高齢化社会なのだろうか。こういう映画がヒットするということはそれ相当の需要があるということなのだろう。で、話はと言うと二組の老人の愛の物語である。 カップルのそれぞれが淡々と小さな希望の灯をともす過程を謳っている。彼らには死という終結が待っているが、人間という生き物は希望という前向きの何かがなければ生きてはいけないのだろう。 この映画ではっと思ったのは、まず、一人暮らしの老女に実 . . . 本文を読む
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レ・ミゼラブル (2012/英)(トム・フーパー) 70点

2013-01-05 10:15:40 | 映画遍歴
だいたいミュージカルは少々苦手で通常は見ない。しかし、予告編のアン・ハサウェイの絶唱ぶりが身震いするほどで、あの感動をいま一度という想いで即映画館へ、、。 なるほど、斬新なミュージカルであります。それぞれの歌唱が息使いまで感じられ、その想いが十分込められている。その内全面セリフが99%歌唱になっていることも気にならなくなる。(昔々「シェルブールの雨傘」が実にそれが100%だったので辟易したことか . . . 本文を読む
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「ア・ラ・カルト 2」 ~役者と音楽家のいるレストラン(於兵庫県立芸術文化センター) 80点

2013-01-04 16:43:31 | 演劇遍歴
もう12月の風物詩になったおなじみエンターテインメントショーである。舞台の上でまさにフレンチの料理とワインを召し上がる。高泉淳子を中心とした涙と笑いとそしてちょっぴり人生の真実を伝えてくれる、とにかく素敵な時間が繰り広げられる。 その3時間は僕にとってちょっぴり豪華でちょっぴり哀しいそして充実した時間なのだ。今回のゲストはローリー。関西弁だからどうなのかなと思っていたらまさしく高槻の人らしい。い . . . 本文を読む
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神戸大学演劇研究会はちの巣座「太陽」(脚本 前川知大・演出 山野 の)(於ピッコロシアター) 80点

2013-01-04 16:16:07 | 演劇遍歴
結構難しい話なんだよね。ウイルスに感染され生き延びた人間と、ウイルスに適応する人間との生存を賭けた争いというか、生き様が執拗に描写される。正面から正々堂々と問題提起しているから見る方に余裕がない。ここがちときつかったかなあ。 でも立派だ。大学生演劇とはいえど、個々の演技はそこらの演劇集団を凌駕している。若い時は難しいテーマに取り組むのが一番の勉強だ。まず、この、生きるべきかどうかという究極のテー . . . 本文を読む
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伊藤えん魔プロデュース「ロミオとジュリエット 絶望バージョン」(於ABCホール) 80点

2013-01-04 15:54:43 | 演劇遍歴
言わずと知れた悲恋の名作。ところが伊藤にかかっては、なかなかの現代風言語と現代流にアレンジされた展開で若者にもかなり受ける作品となっている。随分垢ぬけたロメオものである。 でも大筋は原作から逸脱せず、名作の香りは十分嗅ぐことができている。そこが伊藤の偉いところか。 ジュリエットの発声が我ら古い世代からすれば少し物足りないとも思ったが、ラストの二人の愛の成就の場面は立派にシェイクスピアを表現して . . . 本文を読む
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