嫌いなのに相変わらずアレンの映画を見ている僕。もういい加減にしろ、と自分自身にのたまっている。この映画、冒頭に画面外の声が。「人生は剣幕ばかりの空騒ぎ。意味など何一つない。」
本来はこの格言を聞いたら即映画館を出なければならない。この映画の凝縮したエッセンスを知った後でこの映画を見る価値があるのか!
いやあ、それでも映画料金は回収しなければ、ね、という卑しい根性を持つ僕はこの映画を楽しく、シニカルに、激しく、馬鹿馬鹿しく見たのでした。
アレンは死に対して市井の人間と同様、おののき恐れ、出来たら引き返したいと思っている。この10年、それがとてもきつくなっている、と僕は思っている。その片鱗は「マッチポイント」に表れている。
テニスコートの網の上のボールがどちらに動くのか、こちらに来るのか向こうに行くのか、所詮人生なんてそんな偶然によって決まってくる、と。
まさに、人生そのものが、生き様が空騒ぎであるのなら、意味なんてないだろう。空騒ぎでなくとも、そもそも意味なんて初めからないのかもしれない。生きる意味なんかを考え出したサルがそもそも愚直だったのかもしれない。
とか、この人工的な空騒ぎの映像を見て、僕はそれでも(映画館を出れば)人生の意義を知ろう(そんなことあるはずないけど)と無理に思い続けたのでした。でも、映画はそれなりに結構楽しめましたヨ。
無意味なんて言ってのけて映画を性懲りなく作るのはやはりけししからんよ。ねえ、アレンさん。絶対次作は見ませんよ。(といってもまた、トホホ、、、)
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