
ケネディ暗殺の4日間の出来事。思いがけず有名俳優陣の多出演、そして彼らの的確な演技で、じわじわと関係者たちに与えた重く暗い人生を知ることとなる。ただ真打ちのケネディ暗殺の真実は雲の彼方であることは残念至極なり。
オズワルドの家族の描写が秀逸だ。狂的な母親と対比させたノーマルの兄のこの事件への対応には脱帽。彼は生涯ダラスにずっと残っていたという。
葬儀に断られ続け、やっと埋葬できたオズワルドの家族たちの描写がいつまでも印象に残る。兄一人で土をかけていたところにようやく黒人の二人が手助けをする。感動的だ。
あとは、オズワルドに関するCIAの証拠隠滅より、ケネディの棺の上に自分のロッカーから取り急ぎ十字架を乗せる看護婦の行動に感動する。
オズワルドもケネディも一個の人間なのである。
パークランドという題名は、ケネディもオズワルドも皮肉なことに、同じ病院で手術を受け、奇しくも両人とも死亡してしまったという因縁の病院であることから来ている。手術シーンは動的で緊張感に満ちていた。
ケネディ暗殺事件の備忘録としても面白い、佳作の映画であった。こういう切り口からの映画もあっていいのではないか、と思った。
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