セントの映画・小演劇 150本

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エスケイプ・フロム・トゥモロー (2013/米)(ランディ・ムーア) 80点

2014-07-31 13:25:55 | 映画遍歴

今時あっと驚くモノクロ映画。モノクロの方がカネかかるのによくやった。とにかく映像がやはり美しい。美しいがゆえ、やけにシュールが冴えた。

男にとって家族と遊園地に行くということはまさにこの映画のごとく悪夢なのである。それだけでも心は震える重い鐘をぶら下げているのに、行楽の最初に、なんと携帯一つで男は会社からクビを告げられる。でもそれを家族には押し隠し日常を楽しもうとディズニーに浸ろうとする男だったが、、。

それからの男の脳裏に次々と現れる妄想は歯止めが利かなくなり、ほとばしる欲情と共にヒトの悪意まで引き受け、増殖する。

すごくリアルなんだよね。男が見ていると、うーむ、さむありなん、と全く違和感がない。男の頭の中って、総じてこんなものなんだ。恐いけれど、いやだけれど、よく分かる。

そしてだんだんそれが体まで影響を与え、男は不思議な病にかかってしまう。

どんどんシュールは進む。そしてついに家族にも見放され男は果ててしまうのだ。

現代のカフカとも言える異様なリアル感満載です。女性にはこの感覚、ひょっとしたら分からないかも。掘り出し物の秀作です。


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