お気に入り作家です。幕末の時代物ミステリーから今回は5,60経って昭和初期へ。舞台は満州。岸信彦なんかも実名で出てくるから面白い。彼は戦犯で死刑寸前までの経験をした日本の首相である。わが子供時代には第一次安保闘争で、子供ながらにも岸首相の名前は刻み込まれている。だが、主役というわけでもなく、実にうまい使い分けを作者は試みている。
展開は連続殺人事件ではあるが、それほど綿密なミステリーではなく、読み物として読む必要があるのかもしれない。犯人らしき人があまり出てこないので、吾輩はこの人しかいないかな、と思っていたらまさにそうでありました。
まあ、犯罪動機もユニークというか、ちょっとノーマルではないので、作り物めいて唖然としたが、3作目で、ちょっと気を抜いたかな。
漢字の読みがなのないのも多く、当時の満州の地名だったり、少々困惑する。ただこれは僕の勉強不足。仕方のないところ。若い人はなお読みづらいだろう、、。
次作に期待したい。
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