鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

扇山の田の神と慰霊碑

2010-12-24 | 田の神
南さつま市金峰町扇山の田の神を訪ねました。


道路下の荒地にある扇山の田の神。
元は、田んぼの脇にあったのが、耕作放棄地になったのかもしれません。


右手にクワ、左手にメシゲを持っています。
建立は、文化7年(1810年)です。


後姿。
ワラツト(彫られたものと本物のワラ)を背負っています。


田の神の近くの山の麓に慰霊碑があります。
平成5年9月3日、台風13号の風水害により正面の山が崩れ、公民館に非難していた20人が亡くなったのです。


慰霊碑。
碑文は、この地で育ち、犠牲となった畠中勝幸君(当時12歳)の、「野原はうたう」という扇山の四季の美しさをうたった詩です。
この詩に感銘を受けた人々によって建てられました。


勝幸君の詩です。
 野原はうたう 風にまぎれて
 春はつくしが生え たんぽぽが咲く
 夏はセミが鳴き チョウがまう
 秋はひがん花が咲き とんぼが飛ぶ
 冬はみんな休む 森も 虫も 花も
 だけど野原はうたう 風にまぎれて

風のざわめき、虫の音、小川のささやき…そんな野原のハーモニーが聞こえてきそうです。


碑のところから見た扇山集落。
こんなのどかなところで悲劇が起きたのです。
田の神も、冥福を祈っているでしょう。
右の高い山が金峰山。
コメント (12)
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