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英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

「卒業式」

2010-03-16 10:00:00 | Weblog
先週、勤務校の卒業式があった。
私は3年生の担任なので、
式典の主役である生徒を送り出す役割担当でもあった。
担任が各生徒の名前を呼び上げると、
元気な声で生徒が返答。
返答と同時に立ち上がる一人一人の姿をカメラが追いかけ
壇上に設置された巨大スクリーンに彼らが大写しされていた。
この企画は会場にいる保護者には大変好評である。
卒業式の山場は卒業生代表の答辞だ。
「友への感謝」、
「教師への感謝」、
そして「親への感謝」が語られていくと
会場にいる皆々からは涙が溢れ出ていた。

正式な式典後、
教室に戻りクラス単位で証書の授与をおこなった。
私のクラスは、
一人一人教卓の前に立ち、
級友、教室に集った保護者、
そして私に向けて一言スピーチを行った。
彼らは涙をこらえながら、
あるいは涙を流しながら
男女関わらずに自分の言葉、
自分のスタイルでクラス内の他者に向けて
級友と離れる寂しさとこの場にずっと留まっていたいという気持ちを表すと共に、
この充実感を感じているのは「級友のおかげ」である
という感謝の気持ちが述べられていた。
私にとっては、今までで最も印象にのこる卒業式となった。
以下に示すのは、
学校新聞に掲載したクラスに向けての私のメッセージである。
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卒業おめでとう!
「人生それぞれの時期、
それぞれの状態には、それ相応の完成というものがあり、
それぞれに固有の成熟というものがある」
というジャン・ジャック・ルソーの言葉は、
卒業という日にも該当しそうです。
自分自身では気がつかないかもしれませんが、
君たちの心身の成長は顕著でした。
次の成熟にむけて努力を継続してください。
私は担任として君たちに対して、
悪い意味での「いいかげん」ではなく、
程良い距離感を持った「好い加減」でありたい
と思ってクラス運営をしてきました。
あなた方にとって、
4組という場は如何なる場所だったでしょうか?
私は今、君たちに一つお願いがあります。
それは二十年後の君たちに会うことです。
その時、ぜひあなた方それぞれの人生の歩みについて、
「語り部」本人から直接、話を聴いてみたい。
その際、自慢話や成功談は不要だ。
失敗や苦悩を自ら乗り越えて、
その時ある成熟したあなた方の語りが今から楽しみである。
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私も分担執筆させていただいている
渡辺潤先生編著『コミュニケーションスタディーズ』世界思想社
 まもなく発売されます。
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