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北条かや『キャバ嬢の社会学』星海社を読んで

2014-04-22 07:07:07 | Weblog

「23歳の現役京大院生が自らキャバクラ嬢となって潜入調査!」

というコピーがまかれた帯。

この本を買おうか、どうしようか正直迷いました。

京大院生が修論作成のためにキャバクラ参与観察したといえば聞こえはいいですが・・。

それはカッコつけているだけであり、

キャバ嬢がたまたま京大に通っていたにすぎないのではという思いがしたからです。

しかしながら、少々期待したことも事実です。

それは佐藤郁哉『暴走族のエスノグラフィー』のような作品かもしれないとの思いからです。

 

読後の感想ですが・・。

「まずまず」「なるほど」というのが第一声です。

・キャバ嬢の登場は80年代です。

それは秋元康プロデュースの「おニャン子クラブ」が全盛の時代。

当時はまさに「素人ブーム」の創世記。

「普通の女の子」がアダルトビデオに出るようになった頃でもありました。

現代においてもAKB48に代表されるような「素人さ」を魅力にすることが引き継がれています。

アイドル論で言うと、素人さが魅力の「AKB48」に対して玄人受けする踊りをする「モーニング娘」がいます。

本文中では、素人性をその魅力とするキャバ嬢に対して銀座の高級クラブのホステスが対比されていました。

玄人に対して、素人のようなところが魅力の若いキャバ嬢。

ちなみに、セックスサービスを提供しない日本のホステスやキャバ嬢は日本特有のものだそうです。

キャバクラでは、「店舗という舞台の上で演技する「女優」であるとの意味が込められて「キャスト」と呼ばれているそうです。

なぜか、ディズニーランドで働くバイトと同じ呼称?

キャバクラの料金システムは1時間のセット料金が約5千円に設定されていて、

加えて、キャバ嬢の指名料金、さらにキャバ嬢へのドリンクでしめて約1万円と支払い金額は約2倍になるそうです。

キャバクラの構成員はプロのキャストが1割、セミプロが4割、素人アルバイトが5割。

素人性を打ち出すキャバクラは、この数字からも素人または素人のような女性で構成されていることがわかります。

キャバクラはお金を介した擬似恋愛の空間。

普通の女の子らしさをアピールして自分を応援してくれるファンを獲得することにより収入が上がるそうです。

「若く、スタイルが良い女に高値がつく「カオとカネの交換システム」

寂しさ、くだらなさ、そして魅力を感じると北条さんは言います。

 

客としての参与観察も面白そうですが

余裕のお金もありませんし、

素人に気をつかってしまうことで疲れることが予想されるキャバクラには行こうとは思いません。

が、通勤電車で読むには気楽に読めるお勧めの一冊です。

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