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本年もどうぞ宜しくお願いします。
今年は大学広報に関連した論文投稿を仕上げるつもりです。
そのような状況の中で下記の本に出会ったので参考にさせていただくつもりです。
その本は、木村誠『大学大崩壊』朝日新書 です。
それでは、印象に残ったことを書き留めて置きたいと思います。
・日本経済新聞が、2017年11月に報じた大学の地域貢献調査分野は、大きく分けて、(1)学内における地域貢献の推進組織や制度(2)住民向け講座や学生の地元就職など(3)自治体・企業との連携(4)留学生数や地域の国際化支援の4分野である。
→(私見)特に地方大学の生き残りは地域との結びつきが、その鍵となりそうです。静岡では有名な常葉大学の静岡県出身者は92.7%だそうです。
・入学辞退者が多い国立大学のナンバーワンは北見工業大学です。2017年の入学辞退率は39.4%.
→(私見)筆者は「北海道の地元の地域経済力低下によって4年後の就活に不安を感じた合格者が辞退するケースに思える」と推測されています。或いは合格しても進学する意図はないのに国立大学に合格したという記念受験をしている生徒もいるのではないかとも思われます。
・大学院修了者の進路
博士課程修了者の進路
人文科学20.1%
社会科学36.5%
理学41.4%
工学58.3%
保健68.1%
→(私見)上記の割合は博士課程修了後の就職、つまり研究所や大学の先生になった人たちの割合です。人文、社会の低さからも、その進路の厳しさが伺えます。博士号を取得してもワーキングプアーになる人の率が高いのです。
・非常勤教員の比率は国立大学が34.1%、公立大学が50.7%、私立大学が56.8%となっている。
→(私見)大学は多くの非常勤講師がいるからこそ、成り立っていることがこれらの比率から理解できます。
・日本学生支援機構(旧日本育英会)も含めて、何らかの奨学金を支給されている大学生は2015年に全体の35%。
・奨学金受給者は115万人、総額495億円が貸与された。そのうち74億円が返還対象なのに返済率は55%という。
→(私見)高校に在籍中は大学に進学することを前提に予約奨学生という制度が存在します。
返済率の低さに驚かされます。
・大学初任給は1970年が3万7400円で、45年後の2015年は20万2000円となっており、5.4倍の上昇。
・国立大学は1970年に1万2000円だったが、2015年は53万5800円で、実に44.65倍。
→(私見)初任給の上昇に比べて、いかに大学授業料が上昇しているかがわかります。