正則学園高校の問題がニュースやワイドショーで取り上げられました。
それは教職員を6時半に出勤させ、廊下に一列に整列。
「おはようございます」と一人一人が理事長に挨拶する習わしです。
このような話は、首都圏の私学ではよく聞かれる話でした。
例えば、ある学校では若くて美人の女性教諭が必ず理事長付の校務分掌を担当。
理事長先生の身の回りのお世話をするという業務命令。
宿泊を伴う出張も含めて、授業は自習にして旅行に毎回同行。
なぜこのようなことが、かつて行われていたのでしょうか。
その原因の一つは
その学園の創立者であり、理事長・校長先生が現職であるパターンです。
S県のワンマン理事長・校長としての度を越した振る舞いについては耳にすることが良くありました。
幼稚園の経営者、そろばん塾の経営者、自動車整備工場の社長、居酒屋社長が私立高校をつくったり、大学をつくったり。また、その経営権を取得したりして理事長をされている学校がすぐ頭に浮かびます。
そのように成り上がりの理事長が経営する学校の方が、スポーツで強豪校となり全国的に有名になったり、大学進学に力を入れて東大合格者を出したりしているのも事実なのですが・・。
今、日本は少子化現象継続中です。
子供の数が少なくなり、学校の数がそれに合わせて急激には減ってはいない状況です。
首都圏においては、公立高校の統廃合はあっても、私学の統廃合はありません。数校が身売りされて大学の付属になったり、校名変更して再生しているのはほんの数校程度です。
私立高校でも大学などと同様に、最大三年期限付きの採用スタイルが日常化しています。
つまり、労働者としての教員は弱い立場に追われているのです
「学校の生き残り」のために放課後は、献身的にクラブ活動顧問として活躍。
クラブ終了後は、勤務校の進学実績を伸ばすために大学入試で役に立つような授業展開を考えての授業準備を行っていることも恒常化しています。
加えて、モンスターの保護者からのクレーム対応に多くの時間を取られているのも現実なのです。
放課後だけでも、忙しいのに朝まで理事長に挨拶などできるはずがありません。
都内の学校では中学教員と私立高校側との入試相談が12月に既に終了しています。
よって、この正則学園問題で正則を希望する来年度の受験生が減ることはないのです。
この時期だからこそ、正則学園の先生方も労働者として自らの首がしめられることはないとの判断でのストライキなのです。