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小林美希『年収443万円』を読んで

2023-05-23 07:07:07 | Weblog

給与所得者の平均年収443万円がこの本のタイトルです。

働き盛りの4人に1人、あるいは3人に1人が非正規です。

この本によると2002年と2021年の非正規雇用の比較では25歳から34歳は20.5%から22.5%へ、35歳から44歳は24.7%から27.1%へ、45歳から54歳は27.8%から31%に増加。

 

1997年と2021年の40代男性の年収の比較では、40〜44歳で645万円から584万、45歳から49歳は695万から630万と減少しています。年収400万円以下が53.6%と半数以上を占めています。

 pp.182「若い層で、格差を当然のことだと受け入れてしまっていることが、調査結果に表れている」

 

・1986年の女性の非正規雇用率は32.2%でしたが、2022年には53.3%と女性の半数以上が非正社員。

・新卒に当たる15〜24歳でも29%が非正規雇用。

・理想とする働き方で、「同じ会社で長く働き続ける(終身雇用)」が各年代で最も高い

・「転職を通じて、キャリアや所得を上げていく」と答えたのは、各世代で4分の1程度。

・幼稚園から高校まで全て公立の場合にかかる学習費総額は約544万円。

・中学受験をして中学と高校が私立だと約973万円

 

以上のように日本に暮らす私たちにとっては経済的に厳しい状況が事例をあげて書かれていました。

給料が上がらずに非正規で働く人々の増加が明らかです。

それに対して都内のマンションの平均販売価格が1億円を超えていることも報道されています。

単純に考えると、それらを購入できるのは年収2000万円以上ある方々です。

確かにある程度のお金持ちは都内にはいそうですが、普通に働いているサラリーマンにはとても購入できない物件価格なのです。

私の勤務する都内の私立中学ですが、毎年受験者が増加しています。

昨年は新入生募集定員80名に対して、実入学者は200名以上。

一時的ではありますが、教室や教員が足りないとう景気の良い状態が何年か続いています。

しかしながら、新入生増加に伴う教員増加はほとんどが非正規教員であり、一時的に足りなくなった教室対応策は、木造教室での対応。

30年も給与が上がらないのに最近、物価が上昇しています。

夏には電力料金も大幅に値上げされるそうです。

高齢者は熱中症にならないようにするためにエアコンを利用してくださいと言っているのに、電力料金大幅上昇でエアコンを利用しない、できない高齢者世帯が増えそうという「矛盾」。

安心な生活の基本はお金に困らない生活だと思う私です。

コメント
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