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『イタリアの高校の校長先生のメッセージ』

2020-03-17 07:07:37 | Weblog

イタリアのミラノにあるアレッサンドロ・ヴォルタ高校ドメニコ・スキラーチェ校長が休校中の生徒にあてたメッセージを転載します。

―――――――――――

ヴォルテ高校の皆さんへ

 

“保険局が恐れていたことが現実になった。

ドイツのアラマン人たちがミラノにペストを持ち込んだのだ。

感染はイタリア中に拡大している…”

これはマンゾーニの「いいなづけ」の31章冒頭1630年ミラノを襲ったペストの流行について書かれた一節です。

この啓発的で素晴らしい文章を混乱のさなかにある今ぜひ読んでみることをお勧めします。

この本の中には外国人を危険だと思い込んだり当局の間の激しい衝突

最初の感染源は誰かといういわゆるゼロ患者の捜索

専門家の軽視

感染者狩り

根拠のない噂話

ばかげた治療

必需品を買いあさり

医療危機を招く様子が

描かれています。

ページをめくればこの高校の周辺で皆さんもよく知る道の名前が多く登場しますが

ここが当時もミラノの検疫の中心地であったことは覚えておきましょう。

いずれにせよ

マンゾーニの小説を読んでいるというより今日の新聞を読んでいるような気にさせられます。

親愛なる生徒の皆さん私たちの高校は私たちのリズムと慣習に則って市民の秩序を学ぶ場所です。

私は専門家ではないのでこの強制的な休校という当局の判断を評価することはできません。

ですから

この判断を尊重しその指示を子細に観察しようと思います。

そして皆さんにはこう伝えたい。

冷静さを保ち集団のパニックに巻き込まれないこと。

そして予防策を講じつついつもの生活を続けて下さい。

せっかくの休みですから散歩したり良質な本を読んでください。

体調に問題がないなら家に閉じこもる理由はありません。

スーパーや薬局に駆けつける必要もないのです。

マスクは体調が悪い人たちに必要なものです。

世界のあちこちにあっという間に広がっている

この感染の速度はわれわれの時代の必然的な結果です。

ウイルスを食い止める壁の不存在は今も昔も同じ。

ただその速度が以前は少し遅かっただけなのです。

この手の危機に打ち勝つ際の最大のリスクについてはマンゾーニやボッカッチョが教えてくれています。

それは社会生活や人間関係の荒廃市民生活における蛮行です。

見えない敵に脅かされた時人はその敵があちこちに潜んでいるかのように感じてしまい自分と同じような人々も脅威だと潜在的な敵だと思い込んでしまうそれこそが

危険なのです。

16、17世紀の時と比べて私たちには進歩した現代医学がありそれはさらなる進歩を続けており信頼性もある。

合理的な思考で私たちが持つ貴重な財産である人間性と社会を守っていきましょう。

それができなければ本当にペストが勝利してしまうかもしれません。

では近いうちに

学校でみなさんを待っています。

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