7月26日、仕事の都合をつけて
いつもと同じように気ままに無計画で静岡の実家へ向かった。
とりあえず直接、老人ホームに住まう母を訪問。
ホームに到着すると、
何かいつもと違っていた。
職員の方が驚いた顔で私を見て話しかけてきた。
「どうして、わかったんですか?」
「えっ?」と聞き返した。
なんと早朝より母の具合が悪く、
ホーム専属の医師の到着を待っているとのことだった。
横になっている母の横で待機していると医師が到着。
日頃、老人を見慣れているためか?
それとも、尊敬される田舎の医師という立場にどっぷり浸かっているためか?
その医師の発した一言が今でも鮮明に残っている。
「老人には誤嚥がよくありがち。この手の人はしょうがないですよ」
と慣れた手つきで、抗菌剤を注射した。
数日間様子を見ましょうと言って医師は帰っていった。
その数日後の28日に母は体調が戻らずに救急車で総合病院に搬送された。
私は急遽、車を走らせて東京から静岡に向かった。
到着時間は深夜1時。
救急受付の裏口から病院に入り、
薄気味悪い暗さの中、病室へ向かった。
病室で母は眠っていた。
目がさめるまでの30分間程、
ベッドの脇で母の手を握り、頭をなで目を覚ますのを待った。
母は目を開け、私に気がついたので、とりあえず安心。
深夜なので他の患者の迷惑になっても申し訳ないので
そのままとんぼ返りで東京に戻りついた。
時刻は早朝の4時だった。
8月に入ってからも日帰りで病院に2回訪問。(日帰り)
酸素マスクが付けられて、
点滴をされている姿から最終の訪問では酸素が外された。
しかしながら、まだ点滴が継続されている。
少しずつ、ゼリー食が試みられ始めた。
ゼリー状のお茶、ゼリーみかん、そしてゼリー状のご飯に海苔佃煮。
まだ看護師に数口、食べさせてもらっている。
食事が自ら取れて、点滴がはずれることを祈るばかりである。
病院は完全看護なのに、なぜ。
たびたび私は無理をして片道180キロメートルの道を病院に向かっているのだろうか?
その理由は2つ。
一つは、話せば話すだけ、お腹がすいて食欲が出るのではないかという息子としての想い。
もう一つは、無意識?意識的に点滴をはずしてしまう為に
両手にはグローブがはめられ、それがベッドに括りつけられている。
見舞い人がいる場合には、グローブを取って良いのだが・・・。
それ以外の場合は終日拘束されている。
夏場のグローブは暑そうだし、
身動きが取れない姿を出来るだけ軽減させてあげたい気持ちが湧いてくる。
総合病院の担当の若い医師は言う。
「点滴も延命処置の一種ですから・・」
正論であろうが患者の身内に温かな言葉がかけられない病院の医師。
最少人数で働いているいつも慌ただしい看護師たち。
看病できる親族として、
この夏は無理をしてでも何回も静岡に向かうことを決意したしだいである。
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