くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の

2023-03-20 11:04:04 | 感想など
針やはらかに春雨のふる   という歌をはじめて聞いた時、「平凡な自然描写を随分気取った風に表現している」と感じたものだが、結核の悪化する状況で病床より見た景色を詠んだものと知り、ずいぶん印象が変わった。   というのも、死に向かうことを自覚しながら、病床にいて何を為すこともできぬ自身と、春という誕生の季節において、今まさに成長へ向け躍動する瑞々しい自然の様を目の当たりに . . . 本文を読む
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