クマの駆除に対しクレームを入れる人間の心性

2023-10-15 11:04:12 | 生活
 
 
 
 
問1:あなたはスズメバチが家に巣をつくったら駆除しますか?
 
このように問われたならば、否と答える人間はまずいないが(いたらお目にかかりたいくらいだ)、その理由は「自分の身に危険があるから」だろう。
 
 
問2:スズメバチにも生きる権利があるので、何もせずにむしろ自分たちが引っ越すなどすべきという考えをどう思いますか?
 
もちろんこちらも否と答えるだろう。何でスズメバチのために自分たちが生活圏を変える苦労を負わなければならないのか?そもそもスズメバチが巣を作るリスクが全くない空間なんて都市部の高層階ぐらいしかないのでは?そんな制約を負わされるのは馬鹿げている、と。
 
 
そこで次の問い。
 
問3:では、クマを駆除するのを否定する理由は何ですか?
 
クマとスズメバチを一緒にするなって?もしかして獣害のニュースはご存じでない?クマなんか出る場所に住んでいるのが悪い??いやいや、クマより被害の少ないスズメバチでも引っ越したくないあなたに言われたくないわ🤣
 
 
・・・とまあ挑発的なやり取りで始めてみたが、要するに、クマの駆除に対するクレーマーたちの頭の中においては、クマは(意識的・無意識的かはともかく)愛玩動物のそれであり、ゆえにその幻想を浸食されるような現実は受け入れがたいのだと思われる(要するに、ジャニーズ問題において発表されたファクトを決して受け入れず陰謀論や相手の悪魔化を行う「ファン」と同じで、そこには認知の歪みが生じている)。
 
 
さりながら、じゃあお前もクマの棲息場所近くに住んでみろとか、あなたが金を払ってクマを保護すればいいと言っても全く響かない。なぜならそれは、クマを愛玩動物たらしめる、「遠い存在だからこそ勝手に理想化も悪魔化もできる」というクレーマーたちの精神構造を理解していないからだ(要するに、クマに向けフラッシュを焚いて写真を撮ったり、その先も考えずエサを与える連中と本質的には同じ)。
 
 
よってこういった手合いを追い詰めるには、「対象の身近な事例を元に問いかけを行うことで、認知が歪んでいても想像力が働きやすいように誘導する」のが賢明である。今回のスズメバチもそうだし、あるいはグラデーションを持たせるためにゴキブリなどを取り上げてもいいだろう。
 
 
そして、「何でクマはOKでスズメバチはダメなんですか?」、「スズメバチに刺されたらどう責任を取るんだ!」「それってクマにも言える話ですよね?あなたはクマに襲われた人たちやそれによる物的損失にどんな補償をしてくれるんですか?」という具合に詰めていけばいい。
 
 
なお、ここで誤解のないように言っておくが、これで「はい論破ー😆」となって問題解決するわけではない。認知の歪みは知能の問題では必ずしもないので、たとえ論理的に見えるやり取りの結果クレーマーに正当性がないことが示されても、彼らが考えを変えるわけではないだろう(この点、妙に他人に期待しすぎる人が多いように思うので、釘を刺しておきたい。というかそもそも、環境保護を謳いながら決してツェツェバエやマラリア蚊を保護しようという話にはならないように、人間の自然への態度自体が極めて恣意的である点に注意する必要がある)。
 
 
ここで重要なのは、対手そのものの説得の期待ではなく、その正当性の無さを公に示すことで、その立場を失くさせ、かつ彼・彼女らの対応に法的措置を行える状況を整えることだ。
 
 
つまり、以下のような流れである(書いてて思ったが、やはり自分はオブライエン側の人間なんだなw)。
1:クレーマーたちに身近な問題として考えやすい事例を提示する
2:一部の人間は認識を改めるが、それでも同じ主張を繰り返す人間は残る
3:その時の主張はより論理性を欠いた感情的なものとなるため、ファナティックさを世に認知させやすくなる
4:そういう有害な人々がいることを世に広く認知させることで、熟議では解決不可能であり、法的措置が必要と認識させる
5:新たな法整備を嗜好
 
 
という具合。これは「男性は女性に奢るべきか」問題でも触れたが、価値観が多様化・複雑化した現在で、共通前提を元になぁなぁで話をまとめることはますます困難になりつつある。そのことを踏まえた措置が必要だと思う次第である。
 
 
以上。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 住宅地の中心で神域のスープ... | トップ | 軸となる価値観なき人間の末... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

生活」カテゴリの最新記事