椿談義:企業、研修、「国民性」

2012-11-22 18:29:22 | 日記

中学時代からの友達が3月に結婚するということで連絡をもらったのを機会に池袋で飲むことになった。よく考えれば、前に会ったのはTくんの結婚式だから二年ぶりのことになる。結構近くに住んでるはずなのに、仕事の時間帯が合わなかったりでなかなか機会がなかったんよね・・・まあだから今回は俺の週休日にセッティングしましたよと。

 

池袋駅北口で待ち合わせ、椿という店に向かう。いつもより早い時間帯に行ったからか店内はむちゃくちゃ混んでいて、空きスペースに何とかすべり込んだ、という感じ。久しぶりに会ったということで、最初は近況報告(確認)から入る。佐藤(仮名w)は元々教育関係にいて、今は文科省でシステム系の部署に移ったらしい。最近他の飲みでも教育(システム)の話になることが多いので俄然興味を持ったが、まあこれは後にとっておきましょう・・・

 

次に、結婚ということで無難にお相手のことを尋ねる(インタビュアーかw)。大学時代から付き合っていてもう8年くらいになるとのこと。今は大阪で日本語学校の教師をしており、佐藤が東京というこで遠距離恋愛を続けていたが、ようやく(?)彼女が東京へ出てくる算段がついたらしい。日本語教師って身入りが少なくて大変でしょ?と振ったら、そこから話が盛り上がる。

 

彼女は日本語研究でドクターまでいったと聞いていたので、「日本人の知らない日本語」みたいなのとか出版したりするの~?と冗談半分で聞いたら、実際そういう方向を考えているらしい。しかも、個人が趣味で買うものではなく、企業向けのものとして。今出版社と打ち合わせもしたりしてる段階らしいので詳細は伏せるが、たとえばこんな例が出た。

 

最近外国人を採用する企業が増えているが、外資系企業の研修ではこんなことがあった。日本人の引率者と採用されたタイ人やら中国人やらが港で積荷作業を見学していた際、日なたでとても暑かったため、どこで見ても同じだと外国人たちは日陰へ移動した。それに対して、引率者たちは慌てて「作業者たちが汗水垂らして仕事をしているのに、こちらだけ涼しいところで見学するのはよくない」という趣旨の注意をしたそうな。さて、ここにはどんな齟齬があるだろうか?あるいはそれを「エラー」として捉えるならば、どのような対策を講ずれば良いのか?まあそういう話。

 

ちなみに個人的意見を言えば、俺は圧倒的に日陰移動派(笑)だ。ちょっと違う視点で話をしておくと、見られ方の意識は確かに重要だと思う。たとえば、「あいつら俺たちがこのクソ暑い中作業してんのに涼しいところで呑気に見学しやがって」と考える人間もいるだろう(その背景となる「国民性」的なものやその歴史性がどれくらい措定しうるのかは、地域によって大いに違うだろうし、また知識不足もあってここで語ることはできないが)。またそれゆえに、戦争の時あえて将軍や王が前線に立つことにより部下の士気を鼓舞する、といった行為がなされるわけだ。だから、リアクションを予測した上で仕事の効率や業績を上げられる方向へ誘導する振舞を意識すべきというのには賛成だが、果たして今回取り上げた事例にどこまで戦略性があるのか。ただ「向こうが汗水垂らして仕事してるのに、こちらだけ日陰にいるなんて申し訳ない」という心情が行動原理になっていないだろうか?もしそうだとしたら、それは「人の良さ」とはなりえても、他者へ説得的に語ることは困難だし、ましてや合理的振舞を共有することなど不可能だと思うのだが(それこそ「お国柄」だと規定して思考停止に終わるだけだ)。

 

閑話休題。これを聞いて俺はウエッキーにぜひ引き合わせたいと思った。というのも彼は、一般企業で法人向けの部署にいて、そこから海外との契約およびそれに伴う注意事項を研究・共有するというような(俺も詳しくは知らないがw)業務をやっているのだが、8月に尾瀬へ行った時、駐車場から山へ向かうバスの中で、背後にある契約の観念の差異にも目を向ける必要があるという話になった(それを論じたものの代表が川島武宣『日本人の法意識』)。つまり、曖昧な表現や書いていないことに対する意識が全く違う、と(実際PCに入っていたプレゼン資料なども見せてもらったが、契約書の特徴とそれを読む際の落とし穴などについてのものだった)。

 

これ二人がコラボするとスゲーおもしろいんじゃないか!!?そんなことを思って(まだ何も動いてないのにw)ワクワクしたりした。その次に、佐藤が今やっている仕事(新システムの導入)の話になったが・・・それはまた次の記事で。

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