森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

タコノアシ(ユキノシタ科)

2006年12月10日 | 自然観察日記
 名前も面白いが奇妙な草姿の植物だ。 花序の枝に多数の花が並んでいる様子が、「吸盤の付いた蛸の足」のように見えることからつけられたのだろう。それに、秋になると全身が真っ赤に紅葉するので、まさに「茹(ゆ)で蛸」状態となり言いえて妙である。いい写真を消してしまって少々残念であるが、来年取れたらまた載せることにして今回はこれでご容赦を。
 それより、この種も絶滅危惧種で保護の必要性があるものである。泥湿地、沼、川原などに生育しているのだが、洪水対策、灌漑など河川の改修が進んでいるため彼らが成育する場所が急速に失われてしまっているのが現状である。
 近年報告されていることに、生育環境の似たセイタカアワダチソウとの競合で負けて減少しているというのがある。特定の保護区を作って積極的な対策でもしないと消えてしまうことは間違いないだろう。