森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

クマヤナギの若い実

2010年05月23日 | 自然観察日記
クマヤナギというクロウメモドキ科のつる植物です。この実は実は昨年の夏に受精してできたもの。一冬越してようやく成長を始めたものなのです。およそ1cmくらいに成長し赤くなり黒くなって熟します。美味しいですよ。その実の熟す頃に次の花が出てきて、花と実が同じ季節に見られるという雪国では珍しい性質があります。

タニウツギ

2010年05月23日 | 自然観察日記
気が付けばタニウツギが沢山咲いています。再三取り上げているタニウツギですが、先日耳にした話を紹介します。この花を「火事花」として家に持ち帰ることを忌み嫌う風習があることは良く知られていることですが、その理由としての解説です。タニウツギの重要な利用方法は食料の増量剤、いわゆる「糧(かて)」としての存在でしたから、この木をむやみに折り取らないで保護する意味合いで「火事花」という考えが生まれたのだというのです。それなりの説得力はありますが、このタニウツギは枝を切ってさしておけば難なく発根して増やすことの出来る種です。のり面の土砂崩れを防止するのにも利用されるやに聞きます。そういう性質を承知していても、大切にしようとする古人の想いが隠されているのでしょうか。