森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カッコソウ

2019年06月05日 | 自然観察日記
鳴神山近辺に特産するカッコソウです。サクラソウ科の多年草で一級の絶滅危惧種です。何とか開花中の個体を見ることができました。やや薄暗い環境のせいで鮮やかな色彩の花として見ることができませんでしたが、念願が果たせた瞬間です。
このカッコソウは本来の野生状態で生育しているものではなく、稜線直下のスギの林内に人工的に保護区を設定して植栽保護されているものです。1haほどの広さでしょうかローピングされて開花中は監視員もいるようです。

カッコソウの花

2019年06月05日 | 自然観察日記
サクラソウの仲間ですから花は花柱が長い長花柱花と短い短花柱花があると思いますが、ローピングされているため遠くにある開花株には近づけません。
近場にある花は数個で細部を確認するほど花数がありませんでした。とはいってもこの個体は長花柱花のようです。種子で繁殖している株はほとんどないのだそうで、多くが株分けなどの栄養繁殖によっているようです。

カッコソウの保護エリアに生育する個体

2019年06月05日 | 自然観察日記
保護エリアは稜線直下の雑木林とスギ植林地の堺あたりに作られています。実際はスギ林内ですが落葉樹の葉などが敷き詰められているように見えました。そこに点々とカッコウソウが生育しています。すでに花の季節のピークが過ぎているので開花株が少ないのか、それとも開花株にはなっていないのか遠くでは判然としません。少なくとも花の咲いている株は多くはありませんでした。

もう一つのカッコウソウ保護区

2019年06月05日 | 自然観察日記
大滝コースにもう一つカッコウソウの植栽された保護区がパンフなどで紹介されていますが、実際現場に行って愕然としました。看板は立っているのに私の見た範囲ではカッコソウが見当たりません。やはりスギ林内に作られているところです。そもそも、雑木林の林床に自生していたのではないかと想像するのですが環境が合っていたのだろうかとか考えてしまいます。それとも盗掘にあってなくなってしまったのでしょうか。