森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

トキワマンサク(マンサク科) 2

2007年05月18日 | 自然観察日記
 この写真はある神社の神社林で見かけたものを一枝いただいて挿し木によって殖やしたものです。活着は容易ですが成長がとても遅い気がします。昨年小石川植物園で見た巨木には仰天しました。
 越後にはごく普通にマルバマンサクが生育していて、昔から人々に親しまれてきました。トキワマンサクの花は今頃咲くのですが、我が家の庭に鉢植えではありますが彩りを添えてくれています。
 ところで、マンサクは「豊年満作」に通ずる縁起の良い花として語られています。「常葉(トキハ)」ですから「常に」良いことが起こるものとして、昔から贈り物として利用されたものだともいいます。

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トキワマンサク(マンサク科) 1

2007年05月18日 | 自然観察日記
 中国原産のアカバナトキワマンサクは庭木として普及していますが、写真のトキワマンサクは日本にも自生があって絶滅危惧種として指定されています。日本の自生は西日本に点在し80本くらいの個体数が確認されるのだそうです。
 もっとも、栄養繁殖で各地に植えられていますから公園や庭に案外多いのかも知れません。

シロバナヘビイチゴ(バラ科)

2007年05月17日 | 自然観察日記
 これは、知人から「ワイルドイチゴ」として市販されていたものを庭に植えたものです。シロバナヘビイチゴといいますが、前種のヘビイチゴとは別属で食用のイチゴの原種の一つです。山野に自生を見ます。
 こちらは美味しいですよ。時に群落を作っているいるところに出会いますが、誰よりも早く実を捜して食べてしまいます。もっと美味しいのは高山にあるノウゴウイチゴですね。息を切らせて出会ったイチゴの美味しさが脳裏から離れません。
 黄色の花のイチゴは美味しくないけど、白い花のイチゴは美味しいと覚えておくといいとおもいます。

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ヤブヘビイチゴ(バラ科) 2

2007年05月17日 | 自然観察日記
 「ヘビ」と付けられても可愛い野草です。バラ科の花は「離弁花植物」、特徴が一目で判るものです。
 この仲間はヘビイチゴとヤブヘビイチゴの2種あって、結構紛らわしいのですがヤブの方が大きめです。

ヤブヘビイチゴ(バラ科) 1

2007年05月17日 | 自然観察日記
 少し前、山際の林にヘビイチゴの花が咲いていました。かわいそうな名前がつけられているせいか、あまり注目されない花のような気がします。
 「ヘビイチゴ」とは何処から来たのでしょうね。赤い実がまもなく見られるはずですが、毒があるわけではありません。ただ、美味し実ではないです。

イワナシ(ツツジ科) 3

2007年05月16日 | 自然観察日記
 主に日本海側に分布する種ですから、山歩きの好きな人でも誰もが簡単に出会えるものではありません。そういう意味で、越後に住んでいる人間の特権(?)です。
 この個体はピンク色が強いですね。何とは言えない愛らしさがあり美しいとは思いませんか。でも、決して持ち帰ったりしてはいけません。この山で生きているからこそこの美が生まれると思います。


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イワナシ(ツツジ科) 2

2007年05月16日 | 自然観察日記
 花の色は白から濃いピンクまでの変化があるようです。この個体は僅かにピンク色を残した白い花。果実は1cmくらいの実で甘酸っぱく食べられることから名前がついているのですが、花の印象から付けるとどういう名前になるのでしょうか。

イワナシ(ツツジ科) 1

2007年05月16日 | 自然観察日記
 誰にも知らせずこっそりと自分だけの宝物にしておきたいような花の一つです。イワナシといいます。花の大きさは1~2cm、宝石のような花は見ているだけで幸せですね。この時期、岩場などにへばりついて咲いています。

アマドコロ(ユリ科) 2

2007年05月15日 | 自然観察日記
 地下茎が山菜として利用されるそうで(まだ食べたことがありません)、ヤマノイモ科のトコロ(オニドコロ)に似て甘みがあるのだそうです。それで、「甘トコロ」とか。オニドコロはとても食べられた代物でないといいますから、それと比較して少しはましだったんでしょう。
 それはそうと可愛い清楚な花ではありませんか。華美ではないけれど山野草が持つやさしさを感じます。花を正面から見ると雄しべと雌しべが幾何学的な形を形成しています。

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アマドコロ(ユリ科) 1

2007年05月15日 | 自然観察日記
 似たものにナルコユリというのがあります。これは、「鳴子百合」で語源が判りやすいのですが、アマドコロという名前は草姿との関係でピッタリ来ませんね。僕の周りの人も多くがナルコユリということになっているようです。
 茎が丸くてつるんとしたのがナルコユリ、茎に「稜」があるのがアマドコロが一番はっきりしたくべつでしょうか。ぶら下がる花数が3つ以上はナルコユリ、1~2個がアマドコロという区別もあるのですがパーフェクトでないようです。

シャガ(アヤメ科) 2

2007年05月14日 | 自然観察日記
 この種は種子が出来ないのです。理由は3倍体(3n)の植物で生殖用の細胞がうまく作れないということなのです。少し面倒くさい話になりますが、例えば動物の個体は倍数体(2n)で半数体の卵(n)や精子(n)を作るときに「減数分裂」をして染色体数を半減させる仕組み(2n⇒n)があり、これが受精して新個体(n+n⇒2n)になるというわけです。
 3倍体(3n)の個体では半減すると1.5nという数学的な数字はありますが、現実には減数分裂が出来ないので結果生殖細胞が形成されず新個体が出来ないのです。
 植物のシャガも同じ現象があって種子(新個体)が出来ない種です。だから、繁殖している個体はすべて栄養繁殖(地下茎など)のものですから、日本に生育している個体は遺伝子がすべて同じということになりますね。
 それはそうと、この現象を利用したのが種無しスイカです。わざわざ3倍体のスイカを作ります。この花が種子を作ることが出来ないので種のない実が出来るというわけです。もちろん種無しスイカから次代の種無しスイカは作れません。3倍体のスイカを作るところに技と技術がいるんです。

シャガ(アヤメ科) 1

2007年05月14日 | 自然観察日記
 緑も濃くなってきました。次々に咲く花をタイミングよく取り上げるのになかなか苦心します。
 シャガの花が盛りです。原産は中国で日本在来種ではないといわれていますが、ほぼ野生状態でいたるところに生えています。もっとも人里の周辺でしか見られません。

ウラシマソウ(サトイモ科) 2

2007年05月13日 | 自然観察日記
 仏炎苞の部分の拡大写真。中央の付属体がこん棒状でなく長く伸びだしています。その理由が判らないですね。どういう役割があるのか全くの謎なのだそうです。近縁種に同じように長く伸びる種もありますから、何かしらの意味があるのではないかと言われているのですが・・・。


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ウラシマソウ(サトイモ科) 1

2007年05月13日 | 自然観察日記
 もう一種紹介します。ウラシマソウという変わった名前を持つテンナンショウの仲間です。仏炎苞に包まれた付属体(ここの下部に花が着く)の先が異様に長く伸びています。数十cmはあるんです。この姿を浦島太郎が釣り竿を持っている姿に結びつけるあたりが凄い想像力だと思いませんか。

マムシグサ(サトイモ科) 2

2007年05月13日 | 自然観察日記
 変異の大きさはまさに進化している真っ只中の種、そういう面白さはあるのですが、一見してあまりかわいいとか綺麗な感じを持ちませんね。名前もどことなく薄気味悪い感じです。しかし、これも大切な森の住人です。もちろんこの種も性転換をする性質を持っています。