ヒメシャラを見た場所から少し行くとそれでもこの地域の植生に近そうな場所がありました。伊豆半島の海抜200ⅿ~300ⅿあたりの山麓部の植生景観(二次林)とみています。冬は林床が実にカラカラとしていて何の障害もなく歩き回ることができそうな景観です。新潟で見る常緑の低木で敷き詰められた林床に比べるとその違いが際立ちます。
シカ食害から守る対策なのでしょう若い樹にはこのようなネットで保護されたものが小道の両側には至る所に見られました。設置してかなり古くなっているものあり網が破けて至りあまり効果が無いようなものも散見されます。対策の難しさが伺われます。植生を破壊する最も大きな原因がシカという人も多くシカの駆除を真剣に考えないといけないようです。
浄蓮の滝の近くに「天城越え」という道の駅がありここに併設されている昭和の森会館やその周辺の森を散策しました。ここは植栽した木々が多いので、自然遊歩道の「踊り子の小道」と名付けられた森の道を少し歩きました。スギやヒノキなどの植林された木々に混ざって印象的だったのがヒメシャラの大木。葉がない季節ですから樹肌だけです。しかし、赤い肌は他にはない強烈な印象がありますからすぐにわかります。新潟では全く見られず太平洋側の森に見られる種です。陽樹で森を海抜するとヒメシャラが最初に生育するため山全体がヒメシャラの林になっている景観を静岡の千頭のあたりで目撃した思い出があります。巨木になりますから径が70~80cmにもなります。屋久島ではヒメシャラの曲がりくねった巨木の森に出会いました。いい思い出になっています。
サルスベリによく似た樹肌です。天城の山域にはヒメシャラが普通に自生しているようですが、歩いた場所は植林地でしたから整理されていないスギやヒノキの中にイヌガシやウラジロガシなどの本来自生している種が自然に生育し大きくなってきていて「踊り子の小道」という名前にはふさわしくない雑然とした森です。ここでは唯一ヒメシャラの比較的大きな樹に巡り合えたことが特筆できることでしょうか。
この種については全く知識を持ちません。遊歩道からこの岩壁まで50ⅿ以上はありますからカメラを望遠にしてようやくその姿を捉えました。大変貴重な種であるようですがこの距離では観察もできず指をくわえているばかりです。
拡大というよりカメラの望遠を最大にして写真を取りそれをさらに大きくレベルです。かなり大型のシダで60~70cmはありそうで岩壁から垂れ下がる習性がで、不定芽でも増えることができるという記載があります。
季節柄もあるのですが、伊豆半島はシダ植物の宝庫。目立つのは多種多様なシダ植物でした。あまり詳しくないのと、ブログの内容が少し地味な感じになりそうなのであまり取り上げないようにしたいのですが、それでもいくつかは紹介します。
カタヒバが生い茂っていました。新潟では庭で栽培している人はいますが自生はないと思います。そういう種が野生で見られることが嬉しくワクワクするのです。もちろん花はありません。地味な存在であることは間違いないのですが、シダ植物ゆえの不思議さや美しさがあります。
カタヒバが生い茂っていました。新潟では庭で栽培している人はいますが自生はないと思います。そういう種が野生で見られることが嬉しくワクワクするのです。もちろん花はありません。地味な存在であることは間違いないのですが、シダ植物ゆえの不思議さや美しさがあります。