伊豆修善寺というと私はイノシシとワサビ田を思い出します。学生の頃修善寺近辺に来た時の思い出でイノシシ牧場があってちょっとした話題でした。すでに無くなっているのですが昼食にイノシシ肉を使ったどんぶりを食して当時の思い出に浸ります。ワサビ田も思い出の一つ。ここにしかないものではありませんが、古くから沢沿いに作られた独特の景観が忘れられません。収穫間近のワサビ田は綺麗な葉で覆われていました。
ワサビは全国的に自生する多年草ですが、古くから香辛野菜として栽培されていることは周知の事実です。里山にも沢山の自生のワサビが見られますが、意外と知られていないのが栽培されているワサビと野山に見られるワサビは同じものということです。地下茎が肥大する水ワサビと肥大しない畑ワサビという言い方がありますが、これは栽培の仕方で区別したほうが正しいようです。ワサビの性質で水中栽培を行うと地下茎が肥大するのだそうです。
今年の大雪には閉口していましたが、雪のないところへ思い切り気分転換とばかりに伊豆半島へ飛び出しました。仕事の手が空いた3月5日。しかし、あいにくの悪天候で出鼻をくじかれましたが、翌日からはなんとか回復し新潟とはまるで環境の違う暖帯林の自然を「満喫」しました。「」付きなのはもっと時間がほしいという思いがあることと、いくら暖帯といってもまだ3月初めは梅が咲いている季節でもありますから花の少ない季節。楽しみも半分という状態。もっとも、一番のお目当てはカワズザクラを見ることですから花の少なさは承知の上。花がなくてもこの季節の暖帯林を観るのも勉強になります。暫くは伊豆半島の植物談義をしたいと思います。
まずは、河津町のカワヅザクラです。ソメイヨシノ程は普及はしていないかもしれませんが、最近特に注目されているいわゆる園芸種扱いされるサクラです。花が早いことで知られここ河津町で広がったことから名付けられた自然雑種と考えられています。あいにく原木の花はピークを過ぎていてやや葉ザクラ気味でした。
親はカンヒザクラとオオシマザクラ。カンヒザクラは南西諸島に見られるもので伊豆半島には自生していませんから誰かが植栽した株が親になったということになります。オオシマザクラは伊豆半島に自生が見られます。
伝わっている話は、昭和30年頃この家の主人であった飯田勝美さんが近くの河津川沿いの冬枯れの原で花を咲かせている幼木を見つけ家に持ち帰り植栽したものがこの原木だそうです。今から50・60年前のことです。直径約35cm樹高約10mくらいまで成長したことになります。この木から主に接ぎ木で増やされたようですが、町内には色彩が微妙に異なる株もあり単純なクローンでは説明できない気がしました。
伝わっている話は、昭和30年頃この家の主人であった飯田勝美さんが近くの河津川沿いの冬枯れの原で花を咲かせている幼木を見つけ家に持ち帰り植栽したものがこの原木だそうです。今から50・60年前のことです。直径約35cm樹高約10mくらいまで成長したことになります。この木から主に接ぎ木で増やされたようですが、町内には色彩が微妙に異なる株もあり単純なクローンでは説明できない気がしました。
夜桜見学も行いました。町内にはいくつかの並木があり2ケ所ほどでライトアップされた散策路がありました。全体としてはピークが過ぎているという話でしたが満開の桜は夜景に映えて幻想的。ソメイヨシノに比べ長い期間楽しめるサクラです。
久しぶりにギョウジャニンニクの群落に出会いました。もう花はありませんが果実が沢山ついている群落です。奈良県以北の亜高山帯に分布する種ですから立山地域にあっても不思議はありません。どちらかというと湿り気のある場所は好きな種と思いますが、黒部平は岩場の地、あまり水分条件は良くないでしょうが絶えず霧や雲が湧く場所であり高木の下に生えていますからあまり問題はないのでしょう。生育状態は良いようです。
ギョウジャニンニクは有用植物とされ栽培されることがります。北海道ではアイヌネギと呼ばれ野菜として普通に販売されます。新潟あたりでも販売されることがあるようで、道の駅などでときどき見かけます。栽培している畑を見たことがありませんが、どんな環境を作って栽培しているのか興味ありますね。
フジバカマやヒヨドリバナはアサギマダラが好む花。ここでもアサギマダラに出会いました。考えてみるとアサギマダラはかなり広範囲に飛翔してくるようです。渡りをする蝶として注目されていることは周知の事実。南の沖縄や台湾から夏ころ本土に渡ってくるのですが、立山、八ヶ岳、月山、蔵王などでここ1~2年のうちに見ています。どこか一カ所に沢山飛来するわけでなく広く分散しているようです。本土では繁殖を目的にしていないとされる一つの理由になるかもしれません。