わずかですがフデリンドウも見られました。もう花は終わってもよい季節ですが遅めの花です。里山の花や亜高山の花や暖地系の花や寒地系の花といろいろな要素を持つ種が混在しているという地域のようです。上信越の県境に広がる大火山地帯(苗場、谷川、白根、浅間、志賀高原、野沢地域などなど)、日本海側の生態と太平洋側の生態を比較して観ていくといろいろ興味深いことが出てきます。
白糸の滝から流れ出る川(湯川)沿いに歩きました。土が崩れて河原の脇に積みあがっていると思われる幾分湿り気の多い場所にツルキンバイが自生していました。一見ミツバツチグリに似ているのですがいろいろ調べてツルキンバイと考えています。ツルキンバイは関東から西の方に分布する比較的暖地系の種です。北方系の種と混在しているあたりが興味深いところです。
木漏れ日の小道は比較的明るいアカマツなどが点在するも雑木林の中の散策道です。ところどころチョウセンゴミシが林床を覆い他にはないなかなか興味深い群落がありました。ちょうど花の季節でチョウセンゴミシの花を堪能することができました。マツブサ科の雌雄異株のつる性木本です。つる性と言っても木に這い上るようなことは少なく地を這って広がっている景観がありました。
夏、再び軽井沢に訪れたときに写したものです。青い実が雌株に鈴なりになっています。といっても房は10cmもない短いものです。立ち上がる枝の高さはせいぜい30cm程度ですから葉の陰に隠れてそれほど目立つものではありませんでした。秋にはこれが真っ赤な実になって熟します。その姿をまだ見ていないのでこの次は秋に来る必要があります。
薬用として古くから利用されているといいます。いろいろなものに効能があるようで、熟した果実などを乾燥させて漢方に利用するようです。それはそうと赤い実の鉢物もよいものですが、この季節の青い実の姿も素敵なものです。
ネットで「五味とは、有機酸の酸味、糖の甘味、精油の辛味、種子の苦味、果皮の鹹味(かんみ)(塩味)の5種の味をもっているという意味」という記述を見つけました。
ネットで「五味とは、有機酸の酸味、糖の甘味、精油の辛味、種子の苦味、果皮の鹹味(かんみ)(塩味)の5種の味をもっているという意味」という記述を見つけました。
チョウセンゴミシは北方系の種で本州北部から北海道に自生しています。新潟県内の分布については苗場山と妙高山の山奥深くのみで、他に記録されていないようです。ある意味珍しい種です。軽井沢の周辺では比較的個体が多そうですから貴重な地域ということになるでしょうか。
少し明るい林床にセントウソウが見られました。小さな花のセリ科多年草。新潟県内では面白い分布をする種です。ほとんどが阿賀野川沿いと弥彦山塊佐渡というラインに見られます。特に阿賀野川流域には比較的簡単に見つかりますが、他の個所では稀に見つかるようですがほぼ分布していないと見られます。