ツリバナの果実は丸いものという認識ですがこの果実は陵があります。ヒロハツリバナは陵に翼がつきますからこれでもあありません。尾瀬にはも一種オオツリバナというものが自生していることがわかりました。オオツリバナはあまり見たことがない種で中部以北の深山に見られる小高木とされます。
山の鼻は海抜1400mほど。マユミの木はこのレベルの海抜域が生育の上限でしょうか。あまり高い場所では見た記憶がありません。木道から少し奥まったところで踏み込んで幹の大きさなどを見ることができませんが5ⅿほどはある株でした。
マユミは丘陵公園の里山にもみられます。しかし、低山のマユミに大木はなく、大木といわないまでも数mの木もありません。私の動いている範囲での新潟県内では一度もあったことがありませんが、群馬県に入ると例えば榛名高原では径が20cmになるような大径木(樹高5ⅿほど)のマユミが現れます。新潟県内のものは大きくなる前に切られてしまうのでしょうか、積雪のために大きく育たないのでしょうか。以前から不思議に思っています。
鳩待ち峠からの下り、山の鼻に近づくと小さな湿地が所々出てきます。そんな中ホタルイが目に止まりました。里山などの湿地にもみられる種ですから、違う種類かと思ってしまいます。この種は生育範囲が広い種なのだと改めて知らされました。
ホタルイはカヤツリグサ科ですがスゲ属ではありません。小穂が無柄で茎についていますが、この位置は茎の先端になることになっていて、そこから先のものは葉(苞葉)に相当します。節があります。苞葉には浅い溝があります。
小至仏山の尾根筋の湿地にも見られましたが、鳩待ちから山の鼻への湿地環境にもホタルイなどと混在してミタケスゲが見られます。亜高山型高山帯でみるスゲで果胞が鋭く尖って長いのが特徴です。このスゲは広々とした大湿原で見た方が絵になります。