山の鼻の建物が集まる森の一角にノビネチドリを見つけました。花が終わって果実の時期ですがこの時の姿も興味深いものです。この種は尾根筋で見た明るく開けた場所で見るハクサンチドリとは違い森のやや湿った環境で見かけることが多いものです。決して多い種ではありませんから探しにいて必ず出会うものでもないと思います。
シュンランなどは花が咲いても果実になることは少ないのですが、ノビネチドリは花のことごとくが結実して果実を作ているようです。果皮は薄く赤みを帯びています。中には細かな胚乳を持たない種子がぎっしり詰まっているはずです。
尾根筋と違って針葉樹があまりありません。気づいたのがこのネズコ(別名クロベ)です。中には大岩を抱き込んでいるようなものも見られました。水はけのよい尾根や斜面の岩場などに比較的大きな樹が見られます。高山帯でも見られますから北海道にもみられそうですが本州と四国にしかない種だそうです。