常連の「ツバメエダシャク」を発見。暑さのせいなのかじっとしている。縦線の斑紋が見事なシャクトリムシの成虫だが、仲間が多すぎて同定がむずかしい。しかも、後翅の先端が切れているからよけいだ。この先端にはボタンのような斑紋があり、「ツバメ」の名前の由来があるくらいの突起がある。いつも真っ白な翅に縦線が鮮やかなのだが、この蛾はかなり薄くまるで終活の高齢者のようだ。
キュウリの収穫を始める。このキュウリは藤枝で有機農法をやっている農家からいただいた種から育てたものだ。そこに、5mmほどの「ヤマイモハムシ」(ハムシ科)がこちらの様子を見ていた。体は青のメタルカラー、顔と首は褐色で目玉が飛び出ている。名前の通り山芋の害虫だ。ウリハムシをはじめこのくらいの小さな虫がうようよしている。
常連の鹿の子模様の「キハダカノコ」(黄肌鹿の子、カノコガ科)も発見。黄色と黒の虎模様といい、翅の鹿の子模様といい、いかにもおしゃれな奴だ。似たものに「トラガ」というのもある。蛾はほんとうに多様な世界にいる。
やはり、キュウリの近くにいた「マメコガネ」(コガネムシ科)はいろんなところで目撃する。害虫であるのはわかっているが、メタリックな色と小さいのに騙されつい捕獲を忘れる。繁殖力が強くまた農薬にも強いので農家には手ごわい相手だ。カナブンは樹液を餌にするので害虫ではないが、マメコガネは野菜の葉や花を食害してしまう。春から夏へと移動期にある今はそこそこ忙しいが、昆虫にとっても稼ぎ時でもある。