夕闇が迫ろうとする直前、和宮様が「外に来なはれ!! 大変なことになっておるぞ」と勝手口に駆け込んできた。なにか、事件でもと、現場に急行する。そこは、シイタケのほだ木があるところだった。今年のシイタケは終了したと思っていたところ、最近の雨のせいかどっさりシイタケができていたではないか。
往年のようなどんこのシイタケはさすがになかったが、形の悪い「わけありシイタケ」を収穫することとなった。つい最近、知り合いから肉厚のうまいシイタケを貰って食べたばかりだった。それには及ばないが、生のうちにスライスして冷凍にしておけば便利な食材となる。
そのため、暗くなる前にと、あわてて収穫をする。ほだ木は樹皮も破れとても菌糸が伸びるどころではない状態だった。それでも、しぶとく最後の命をかけてくれたような現れ方だった。
今までシイタケがなかなかできなかった隣の太い切り株にもシイタケが参入した。こちらはどんこに近い形状をしているので味に期待ができそうだ。残念ながら、特上の「森菌」でないのが惜しいところだ。
いっぽう、その近くに、毎年山菜として楽しみにしている「コゴミ」がいくつか芽を出していた。このところ、株が増えているので期待できそうだが、事前に草刈り機でまわりをきれいにしておくのを忘れていた。今年もなんとかコゴミの味を満喫できそうだ。
そのうえさらに、その周辺には「ワラビ」も芽を出し始めているではないか。いよいよ、山菜シーズンの開幕だ。過疎地ならではの忙しいスローライフになりそうだ。