杖を使って4000歩のウォーキングの日課がやっとの和宮様が、なんと裏山の道草山に登っていた。しかも道のない藪からゼンマイを収穫していたのだ。というのも、昨年は体調が悪くゼンマイを採りには行かなかったというのに。
したがって、今年はゼンマイが大量に群生したので、和宮様は「あれよ」という間に山に入り込んでしまった。夢遊病者のように「ゼンマイ病」に感染してしまったのだ。したがって、収穫は昨年を大きく上回っていたのは言うまでもない。「書を捨て、街に出よう」ではなく、「十二単衣を脱ぎ、作業着で山に出でよ」というわけか。
さいわい、天気が良かったので「天日干し」を一気にやり遂げる。一本一本並べて乾かすと翌日にはそれをもみ込んでいき、また干していくという繰り返し。体調は良いわけではないにもかかわらず、休み休みだが継続していく気迫は衰えてはいない。
そしてついに、ほぼ完成へ。箱ざるぎっしりだったゼンマイもビーフンのように細くなっていた。これで、中国産に頼らず一年じゅう国産ゼンマイを食べることができる。食糧自給率を高めることは国の安全保障を高めることでもある。ロシアのウクライナ侵攻の円安過程からもそれはわかってきた。
さて、この乾燥ゼンマイを戻すのも手間がかかるので、ついつい食べるのが後回しになってしまうが、楽しみは後半に取っておくのがいい。