7年前に裏山の片隅に「ウワズミザクラ」があることを見つけたが、畑の隣にいただいたウワミズザクラを植えた記憶がある。なかなか花が咲かなかったが昨年あたりに初めて開花したような気がする。前頭葉・側頭葉があまり作動していないので記憶が定かではないのが心配だ。
少なくとも、今年は立派な花が咲いたのは間違いない。じっくり眺めると、ブラシのような白い花はなかなかいいもんだ。ソメイヨシノの華麗さもいいが、ウワミズザクラの穏やかなブラシの花の持ち味がユニークではないか。
名前の由来が吉凶を占うものからだというが、どうもわかりにくい。雌鹿の肩甲骨や亀の甲羅などにT字型の溝を掘り、そこに焼いたウワミズザクラの木をその溝に押し付けて、その熱でひび割れを誘う。その割れかたの形や方向で吉凶を占うというものらしい。「上溝」がなまって「ウワミズ」になったというのが一般的な説だ。
天皇が即位して最初の大嘗祭に使用されるのもウワミズザクラでもある。それほどに、国の中枢にかかわるサクラなのだ。江戸で染井村で作られたソメイヨシノとは、「格」が違う!?
かように、ウワミズザクラは古来から国の中枢で珍重された樹木なのだ。だからというのでもないが、その奥ゆかしいたたずまいをもう一度見直したいものだ。