先月、日経新聞の夕刊で、ビートたけし のインタビュー記事。(冒頭)
面白かった。
4月末封切りの、「隆三と7人の子分たち」を監督した、ビートたけしに、伝えたかったこと等、インタビューしたもの。
記事は、下のような内容で、この10年、サラリーマンを脱落して、不良爺さん達と釣りやら、ビールやらで、ブラブラしている身には、わが意を得たりといった話し。
せっかくだから、映画もみてやれと、暇そうな若い人2人も行くというので、3人で、小倉のチャチャタウンの映画館に出かけました。
映画みながら、飲んだビール、3杯。
げらげら笑っての2時間でした。
結構お客もはいっており、段々客が増えてくる、本物の映画ではと思った次第。
飲み仲間の、小倉の不良爺さん達のグループの親分が、ラーメン屋、錦龍の大将というのも、映画の龍三と字も中身も二重写しでした。
時間があったら、見に行くことお勧めです。
・・・・・・・・・・・新聞記事↓・・・・・・・・・・・・
日本経済新聞 2015/4/15 夕刊に掲載
「怖いものなし」が面白い
格差社会に「ジジイ」の反乱
映画監督 北野武 さん
(きたの・たけし) 1947年東京生まれ。「ビートたけし」として80年代の漫才ブームで人気を得る。監督作に「ソナチネ」(93年)、「HANA-BI」(98年)、「座頭市」(03年)など。新作は25日公開。
四人に一人が高齢者となった日本社会。元ヤクザの老人たちが反グレ集団に逆襲する映画「龍三と七人の子分たち」を撮った北野監督に、老人の反乱のこころを聞く。
自分も老人なんだけど「老人をいたわりましょう」とかいう言い方がイヤでね。金もない若い奴に面倒なんかみられたくねえよ。将来は二人で一人を面倒見るっていうけど、いらねえよ、そんなもの。
電車で席を譲るというけど、お前より長く生きて、常識も知識をある人に譲るというのはわかるけど、かわいそうだからなんて冗談言うな。
昔は老人に孫に小遣いやるくらいの財力はあったよね。「ジイさんどうした」と言ったら「昼から一杯やってるよ」「あすは釣りにいくや」なんてのがあった。ちっとも金持ちには見えないけど、ちょっとは豊かな感じがあった。
今それをやってんのは現役のサラリーマンじゃないか。経済の格差ができて、サラリーマンの格差も開いた。ジイさんなんてもっと格差がある。介護の金も払えず、ただ寝ているのが仕事になっている。
のんきなご隠居なんて、堅気じゃほとんどいない。サラリーマンをリタイアしたのんきなご隠居なんて、結構な位置にいたひとでしょう。
■老人は「怖いものなし」だから、面白いという。
老人は失うものねえから。
青春とか情熱とか、俺、ウソ臭くてイヤなんだ。野球が弱い学校がいくら頑張っても勝てない。今の時代は少年野球から始まるから。タレントだってタレント養成学校に行ってないと、事務所に入れない。
昔は貧乏でも成り上がる方法があった。今は金がないと出来ない。成り上がる方法を消していますよ。それが意外に文化の発見場所だったのに、全部つぶされた。ただ決められたものがあって、それに乗ってある程度のところまで行って、お金吸い取られて終わり。
夢とか希望とか、やたら子供時代から探させるじゃないですか。今の時代で一番怖いのは「死」になっている気がする。やりたいことが見つかるまでに死ぬのが怖い。
俺なんか父ちゃん母ちゃんが「何もしなくていいんだ。どうせバカなんだから、生きてりゃいい」ってもんで。今の子は夢を持たなきゃいけないてのが、逆にブレッシャーになってんじゃないか。
親がそういっているのは、社会構造の歯車になれって言ってる可能性もあるわけですよね。それが生んだ利益が違うところに持っていかれるのに。
なんだっていいよ、生きてりゃって方が、社会から外れた方が、幸福だと思うね。この映画のジジイたちみたいに。
■重要なのは「好きなことして生きて来たか」だ。
老け方というか、ジジイになり方をちゃんと考えないとね。リタイアして何か見つけるってのは遅いよ。面白いことって年季いるから。
今の子は成長に従って死ぬまで商品が全部用意されてる。おむつ、ぬいぐるみ、ディズニーランド、アイドル、やせる、整形・・・。ひたすら吸い上げられる。企業は必要だから作るっていうけど、我々が自分の意志で何かを選んだかといったら、全部よういしてあるものじゃないか。
俺ら運がいいなと思うのは流れに逆らう場所があった。今の子は逆らえないんじゃないかと思う。その流れにね。
面白かった。
4月末封切りの、「隆三と7人の子分たち」を監督した、ビートたけしに、伝えたかったこと等、インタビューしたもの。
記事は、下のような内容で、この10年、サラリーマンを脱落して、不良爺さん達と釣りやら、ビールやらで、ブラブラしている身には、わが意を得たりといった話し。
せっかくだから、映画もみてやれと、暇そうな若い人2人も行くというので、3人で、小倉のチャチャタウンの映画館に出かけました。
映画みながら、飲んだビール、3杯。
げらげら笑っての2時間でした。
結構お客もはいっており、段々客が増えてくる、本物の映画ではと思った次第。
飲み仲間の、小倉の不良爺さん達のグループの親分が、ラーメン屋、錦龍の大将というのも、映画の龍三と字も中身も二重写しでした。
時間があったら、見に行くことお勧めです。
・・・・・・・・・・・新聞記事↓・・・・・・・・・・・・
日本経済新聞 2015/4/15 夕刊に掲載
「怖いものなし」が面白い
格差社会に「ジジイ」の反乱
映画監督 北野武 さん
(きたの・たけし) 1947年東京生まれ。「ビートたけし」として80年代の漫才ブームで人気を得る。監督作に「ソナチネ」(93年)、「HANA-BI」(98年)、「座頭市」(03年)など。新作は25日公開。
四人に一人が高齢者となった日本社会。元ヤクザの老人たちが反グレ集団に逆襲する映画「龍三と七人の子分たち」を撮った北野監督に、老人の反乱のこころを聞く。
自分も老人なんだけど「老人をいたわりましょう」とかいう言い方がイヤでね。金もない若い奴に面倒なんかみられたくねえよ。将来は二人で一人を面倒見るっていうけど、いらねえよ、そんなもの。
電車で席を譲るというけど、お前より長く生きて、常識も知識をある人に譲るというのはわかるけど、かわいそうだからなんて冗談言うな。
昔は老人に孫に小遣いやるくらいの財力はあったよね。「ジイさんどうした」と言ったら「昼から一杯やってるよ」「あすは釣りにいくや」なんてのがあった。ちっとも金持ちには見えないけど、ちょっとは豊かな感じがあった。
今それをやってんのは現役のサラリーマンじゃないか。経済の格差ができて、サラリーマンの格差も開いた。ジイさんなんてもっと格差がある。介護の金も払えず、ただ寝ているのが仕事になっている。
のんきなご隠居なんて、堅気じゃほとんどいない。サラリーマンをリタイアしたのんきなご隠居なんて、結構な位置にいたひとでしょう。
■老人は「怖いものなし」だから、面白いという。
老人は失うものねえから。
青春とか情熱とか、俺、ウソ臭くてイヤなんだ。野球が弱い学校がいくら頑張っても勝てない。今の時代は少年野球から始まるから。タレントだってタレント養成学校に行ってないと、事務所に入れない。
昔は貧乏でも成り上がる方法があった。今は金がないと出来ない。成り上がる方法を消していますよ。それが意外に文化の発見場所だったのに、全部つぶされた。ただ決められたものがあって、それに乗ってある程度のところまで行って、お金吸い取られて終わり。
夢とか希望とか、やたら子供時代から探させるじゃないですか。今の時代で一番怖いのは「死」になっている気がする。やりたいことが見つかるまでに死ぬのが怖い。
俺なんか父ちゃん母ちゃんが「何もしなくていいんだ。どうせバカなんだから、生きてりゃいい」ってもんで。今の子は夢を持たなきゃいけないてのが、逆にブレッシャーになってんじゃないか。
親がそういっているのは、社会構造の歯車になれって言ってる可能性もあるわけですよね。それが生んだ利益が違うところに持っていかれるのに。
なんだっていいよ、生きてりゃって方が、社会から外れた方が、幸福だと思うね。この映画のジジイたちみたいに。
■重要なのは「好きなことして生きて来たか」だ。
老け方というか、ジジイになり方をちゃんと考えないとね。リタイアして何か見つけるってのは遅いよ。面白いことって年季いるから。
今の子は成長に従って死ぬまで商品が全部用意されてる。おむつ、ぬいぐるみ、ディズニーランド、アイドル、やせる、整形・・・。ひたすら吸い上げられる。企業は必要だから作るっていうけど、我々が自分の意志で何かを選んだかといったら、全部よういしてあるものじゃないか。
俺ら運がいいなと思うのは流れに逆らう場所があった。今の子は逆らえないんじゃないかと思う。その流れにね。