今冬最後の寒波が来ている中、今回も宇都宮市の石仏巡りに出かけました。本当に、しつっこいヤツだと自分に半ば呆れながらです。そして今回は、そんな執拗さに石仏たちのほうが根を上げたのか、最初から宝篋印塔と出会ってしまい、霧吹き用に持参した水はまだ融けずに凍りついたままで使用できないので、一文字づつ丁寧に文字を拾っていきました。日光下ろしの冷たい風が吹く中で、です。そのため、どうしても一文字だけが読めず仕舞いでしたが、まあこれは許される範囲だろうと諦めました。その後も訪ねる先々でたくさんの石造物と出会い、いつになく大満足の一日でした。そんな中で、一昨年に多摩石の皆様と栃木県岩船町の大慈寺で見た、如意輪観音像容の「馬頭観音」塔が珍しいと話題になりましたが、「県内にはまだ有るよ」と私が言ったら怪訝そうな顔をしていましたのを思い出したので、その石仏を今回は掲載しました。これは1993年4月29日に確認していたものですが、紀年銘は文政5年で、右上に「馬頭観世音」とある間違いようもない如意輪観音像です。ただ、上部欠損で痛みが酷いのが残念ですが…。今回はいずれにしても一日で51基の石造物を調査出来ました。これで、思い残すことなく一月の石仏巡りを締めくくることが出来ました。
次回は、春の訪れが聞こえる二月となります。宇都宮市の石仏巡りも、段々と楽しくなりそうです。