石碑調査(栃木県限定)と拓本等について(瀧澤龍雄)

石碑の調査(栃木県内限定)を拓本を採りながら行っています。所在地などの問い合わせは不可です。投稿は、実名でお願いします。

2012年4月7日は宇都宮市内の手拓採りでした

2012年04月09日 | Weblog


 これは、先週に見つけた宇都宮唯一の女性頌徳碑(名前は「鈴木なべ」)です。しかもご覧のように、昭和5年の建立とはいえ肖像画つきです。彼女は天保四年に生まれて大正13年に亡くなるまでの92年間に産婦として活躍し、その取り上げた赤子の数は数千人という恐ろしい人数になるそうです。そんなすばらしい女性の石碑を今まで見逃していたとは、何とも恥ずかしい限りです。そんな訳で、その手拓が欲しくて前回は風が強くて無理だったので今日は朝からその目的だけで出かけました。しかし、低い踏み台しか持って行かなかったために碑の上部に刻まれている手拓作業には手こずりました。また、石工の技量が今ひとつで線彫りが細く、浅い部分もあり顔の表情の墨入れにも手こずりました。何しろ踏み台の上に乗り背伸びしやっと手の届く高さ。加えて石碑本体はぐらつくので寄りかかることもできず、いやあ苦労しました。これだけで午前中は終わり、もっともこの家の人に見せたいものがあると家の中へ招かれたのを断り切れず、長話をして昔の写真などを見せてもらったからでもありますが…。そんな訳で、午後から行く予定だったもう一箇所の手拓採りは、南からの強風が吹き出したので中止としてそのまま帰宅してしまいました。

さて、午後は仕方なく部屋に閉じ籠もっての製本作業を行いました。それは、印刷したまま放置していた「宇都宮市の近世寶篋印塔」の最終製本です。その調査した基数は62基と多いので、総ページ数が141ページという厚さになってしまいました。これが出来上がったのでやれやれ、これで暫くは近世寶篋印塔の纏め製本はなくなったと、ほっと一安心やら寂しいやらです。以下がその表紙画像です。

 やっと、今年の春の寒さも遠のいたので次回こそ必ず佐野市在住の山口氏から教わっていた栃木県茂木町へ石仏巡りに行こうと今から張り切っています。多分、優に60基を超える石仏調査になると思っているので、今からその覚悟をしています。何卒、今度の週末こそ張るらしい快晴と無風でありますよう願っているところです。

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