一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

広島県への旅① ……セツブンソウに逢いたくて、逢いたくて、逢いたくて……

2010年03月06日 | その他・佐賀県外の山
セツブンソウの花の写真を見たのはいつのことだったろうか……
かなり以前、確か『ヤマケイJOY』で初めて見たような気がする。
その儚げな佇まいと風情に心惹かれた。
それ以来、セツブンソウをいつの日か見たいものだと思い続けていた。
九州には自生しない花なので、思いは一層つのった。
だが、一番近くで見られる広島県※でも、佐賀からは遥かに遠い。
なかなか行くキッカケがつかめなかった。

 ※昨年(2009年)、山口県の岩国市で、セツブンソウが発見された。
  ただ、自生地かどうかはまだ断定できないそうである。
  すぐ近くに民家があるので、誰かが植えたものが増えた可能性があるとのこと。
  もし自生地ということが確定すれば、
  広島県庄原市総領町とされる本州南限の更新になる。

今年の2月14日に、テツさん、K一郎さん、アキさん、そよかぜさん、クラッカーさん、カリンさん、私の7名でフクジュソウを見に上福根山・岩宇土山に行った時、車の中でセツブンソウの話になった。
なんでも、ネット仲間の福岡組・熊本組が、3月初旬にセツブンソウを見に広島県へ出掛けるとのこと。
他のメンバーがあまり関心を示さないなか、そよかぜさんと私だけが、
「セツブンソウを見に行きたいね~」
と盛り上がった。
そして、それは、
「3月6日(土)、7日(日)に行こう」
と、具体化していった。
メンバーは、長崎組が、そよかぜさん、みつばさん、
佐賀組が、シンコーさん、平六さん、タク、
それに、福岡のhirokoさん、hirokoパパさんが加わり、計7名での遠征が決まった。
6日は、庄原市総領町で、セツブンソウを見る。
7日は、西中国最高峰・恐羅漢山に登る。
スケジュールも決まり、行く気満々になっている時、悪いニュースが飛び込んできた。
その一は、3月6日(土)、7日(日)の両日とも天気予報は「雨」とのこと。
その二は、広島県在住者からの情報で、「もうセツブンソウの開花のピークはとっくに過ぎているので、見に来ても花はほとんど見られない」というもの。
この時点で、熊本組と福岡組は中止を決めた。
さて、長崎・佐賀・福岡混合組はどうする?
中止を決めて、来年まで待つか?
それとも、「雨の中ででも構わない、一輪でもセツブンソウの花を見ることができればそれだけで満足」と考えられるか……
我々は後者を選択した。
何事も、諦めた時点で、可能性は0(ゼロ)になる。
だが、諦めなければ、少なくとも、一縷の望みは残る。
我々は、その一縷の望みに掛けることにした。

長崎・佐賀組の5人は、3月6日(土)の朝、多久IC入口駐車場で待ち合わせをし、シンコーさんの5人乗りの車で一路広島県へ。
福岡のhirokoさん、hirokoパパさんとは、現地近くで合流し、総領町の道の駅リストア・ステーションへ向かった。
13時近くに到着。
案内所でパンフレットをもらい、説明を受け、さっそくセツブンソウ自生地へ。
美しい風景をゆっくり見ながら……それでも足は急ぎ足。(笑)


「一刻も早くセツブンソウに逢いたい!」


「えっ、これ全部セツブンソウ?」
もうビックリ!
さすが日本一のセツブンソウの自生地。


まだまだたくさん咲いているよ~


「美しい~」
息を止めて写真を撮っているそよかぜさん、呼吸困難に……(笑)


美し過ぎて、私も胸がいっぱいに……


何と清楚な、


何と可憐な、


春の妖精。


セツブンソウだけではなく、フクジュソウも咲いている。


何だか得した気分。


でも、やはり目はセツブンソウへ。


逢いたくて、


逢いたくて、


逢いたくて……逢いに来た甲斐がありました~。


セリバオウレンも咲いている。
こちらの花は、本物の自生種。


やはり、多良山系のセリバオウレンとはどことなく違う。


セリバオウレンに浮気しつつも、目はやはりセツブンソウへ。


離れがたく……


いつまでも見ていたい気分だったが……


かの地を離れ、ユキワリイチゲの群生地へ。(コラコラ)
「え~、こんなに~」


車も通る道端の土手に群生しているなんて信じられない。


「う、う、う、美しい~」


ユキワリイチゲの傍にもセツブンソウが咲いていた。
もう言葉にできないほどの感動!
「来て良かった~」


この日は、とうとう雨は降らなかった。
セツブンソウはたくさん咲いていた。
悪いニュースは、どちらも外れた。
なんたる幸運!
やはり、一縷の望みに掛けて良かった!

……3月7日(日)の「広島県の旅②」につづく。

この記事についてブログを書く
« 映画『人間失格』 ……もったい... | トップ | 広島県への旅② ……西中国の最... »