
今日は自動車の運転免許証更新に行ってきた。
佐賀市久保泉町にある佐賀県運転免許センターには午前8時20分に着いた。
8時30分から受付が始まり、更新手続を済ませ、30分間の講習(さりげなくゴールド免許だということをアピール)を受講し、新しい免許証を貰ってセンターを出たのが9時30分。
この後、佐賀県唯一のミニシアター系映画館「シエマ」に、映画『トゥヤーの結婚』を見に行った。
佐賀市松原の周辺は、なかなか雰囲気のある美しい場所。

シアター「シエマ」は、このすぐ傍にある。

今は梅雨。
長雨を鬱陶しく思っている人も多いのではないだろうか?
だが、この梅雨が、作物を育て、夏に使用する水の確保に役立っていることは、誰もが知っている。
知っていながら、なんとなく憂鬱を感じを抱いている。
干ばつが続き国土が砂漠化しているアフリカの人が、日本の過疎化している田舎を見て、「こんなに緑豊かな土地をどうして人が離れていくのかが解らない」と語っているのをTVで見たことがある。
日本の場合、何もしなくても、放っておくだけで、あらゆる植物が生育する。
その有り難さを真に感受している日本人は、案外少ないように思われる。
アフリカや中東、アジア内陸部では、砂漠化が急速に進んでいる。
映画は、この砂漠化が進んでいる中国の内モンゴル自治区を舞台としている。
かつては青々としていた草原も、今では砂漠に浸蝕され、水も数十キロ離れた井戸まで汲みに行かなくてはならない。

力強く凛として働くトゥヤー。
彼女は、ラクダを乗り回し、牧羊で夫と二人の幼子の生活を支えている。
水を確保するために井戸を掘る作業をしていた時のダイナマイト事故で、夫のバータルは下半身が麻痺していて、動くことができない。
夫の分まで働いているトゥヤーには、苦労が絶えない。

ある日、トゥヤーは過労でとうとう倒れてしまう。
見かねた夫のバータルは、離婚を切り出す。
この過酷な土地では、どうしても男手が必要だ。
働くことができない夫がいたのでは、これから先はどうしようもない。
夫の姉も、「弟を引き取るから、ぜひそうしなさい」と忠告する。
三人は裁判所へ向かい、離婚申請を願い出る。

離婚は認められるが、ここでトゥヤーはとんでもないことを言い出す。
再婚する相手は、障害を負ったバータルとも一緒に生活し養ってくれる人に限る――と。
この後、裁判所からの紹介で、結婚を求める男達が次々と現れる。
決断を迫られるトゥヤー。
紆余曲折があり、最後にトゥヤーは意外な人物を再婚相手に選ぶ。
そして、結婚式の日、それまで一度も泣かなかったトゥヤーは、初めて涙を流す。
それは、安堵の涙だったのか、悲しみの涙だったのか……。
「トゥヤー」には「光」という意味があるそうだ。
この映画でのトゥヤーは、まさに光だった。
過酷な土地での光であり、家族にとっての光であり、映画を見る者にとっても光であった。
顔は日焼けし、厚いコートを着込んで不格好であるにもかかわらず、トゥヤーは眩しいばかりに美しいのだ。
驚いたことに、この映画、主演のトゥヤー(ユー・ナン)以外は、すべて現地の人たちが演じているとのこと。
映画を見終わった後にそのことを知ったのだが、どうりでドキュメンタリーを見ているようだと思ったのは、それがあったのかと納得したものだった。

主演したユー・ナンを漢字で書くと、「余男」。
男勝りの女ということで、まさにこの映画のヒロインに相応しい名前だ。
ユー・ナンは、中国・遼寧省出身。
1978年の生まれだから、今年で30歳になる。
幼稚園で映画に初出演したというから芸歴は長いようだ。
2000年の『月蝕』、2002年の『驚蟄』などの好演で知名度を上げ、中国金鶏奨最優秀主演女優賞やパリ国際映画祭主演女優賞などの受賞歴がある。
2006年の『トゥヤーの結婚』が2007年度ベルリン国際映画祭グランプリを受賞し、彼女の名は、一躍世界中に広まった。
クリスティーナ・リッチ、韓流スターのRain(ピ)、真田広之らの出演がきまっている『マトリックス』のウォシャオスキー兄弟最新作『スピード・レーサー』に、香港の有名女優スー・チーや韓国実力派女優チョン・ドヨンを押しのけて大抜擢され出演。
英語とフランス語に堪能で、コン・リーやチャン・ツィイーに続く、中国出身の国際女優として活躍が期待されている。

この映画、トゥヤーの発する言葉のひとつひとつが、ものすごく深い。
それは、厳しい自然環境のなかで育まれ、鍛えられて、発せられた言葉だからだろう。
最近はやりの薄っぺらい人生訓ではなく、原始的とさえ言えるナマの言葉だ。
男とは何か?
女とは何か?
根源的な意味を問いかけてくる。
私の尊敬する評論家・川本三郎氏が、この映画を見て、
「たくましく美しいヒロインに私も求婚したくなった」
と語っていたが、私もまったく同感!
レビューを書いていたら、また彼女に逢いたくなってきた。
佐賀市久保泉町にある佐賀県運転免許センターには午前8時20分に着いた。
8時30分から受付が始まり、更新手続を済ませ、30分間の講習(さりげなくゴールド免許だということをアピール)を受講し、新しい免許証を貰ってセンターを出たのが9時30分。
この後、佐賀県唯一のミニシアター系映画館「シエマ」に、映画『トゥヤーの結婚』を見に行った。
佐賀市松原の周辺は、なかなか雰囲気のある美しい場所。

シアター「シエマ」は、このすぐ傍にある。

今は梅雨。
長雨を鬱陶しく思っている人も多いのではないだろうか?
だが、この梅雨が、作物を育て、夏に使用する水の確保に役立っていることは、誰もが知っている。
知っていながら、なんとなく憂鬱を感じを抱いている。
干ばつが続き国土が砂漠化しているアフリカの人が、日本の過疎化している田舎を見て、「こんなに緑豊かな土地をどうして人が離れていくのかが解らない」と語っているのをTVで見たことがある。
日本の場合、何もしなくても、放っておくだけで、あらゆる植物が生育する。
その有り難さを真に感受している日本人は、案外少ないように思われる。
アフリカや中東、アジア内陸部では、砂漠化が急速に進んでいる。
映画は、この砂漠化が進んでいる中国の内モンゴル自治区を舞台としている。
かつては青々としていた草原も、今では砂漠に浸蝕され、水も数十キロ離れた井戸まで汲みに行かなくてはならない。

力強く凛として働くトゥヤー。
彼女は、ラクダを乗り回し、牧羊で夫と二人の幼子の生活を支えている。
水を確保するために井戸を掘る作業をしていた時のダイナマイト事故で、夫のバータルは下半身が麻痺していて、動くことができない。
夫の分まで働いているトゥヤーには、苦労が絶えない。

ある日、トゥヤーは過労でとうとう倒れてしまう。
見かねた夫のバータルは、離婚を切り出す。
この過酷な土地では、どうしても男手が必要だ。
働くことができない夫がいたのでは、これから先はどうしようもない。
夫の姉も、「弟を引き取るから、ぜひそうしなさい」と忠告する。
三人は裁判所へ向かい、離婚申請を願い出る。

離婚は認められるが、ここでトゥヤーはとんでもないことを言い出す。
再婚する相手は、障害を負ったバータルとも一緒に生活し養ってくれる人に限る――と。
この後、裁判所からの紹介で、結婚を求める男達が次々と現れる。
決断を迫られるトゥヤー。
紆余曲折があり、最後にトゥヤーは意外な人物を再婚相手に選ぶ。
そして、結婚式の日、それまで一度も泣かなかったトゥヤーは、初めて涙を流す。
それは、安堵の涙だったのか、悲しみの涙だったのか……。
「トゥヤー」には「光」という意味があるそうだ。
この映画でのトゥヤーは、まさに光だった。
過酷な土地での光であり、家族にとっての光であり、映画を見る者にとっても光であった。
顔は日焼けし、厚いコートを着込んで不格好であるにもかかわらず、トゥヤーは眩しいばかりに美しいのだ。
驚いたことに、この映画、主演のトゥヤー(ユー・ナン)以外は、すべて現地の人たちが演じているとのこと。
映画を見終わった後にそのことを知ったのだが、どうりでドキュメンタリーを見ているようだと思ったのは、それがあったのかと納得したものだった。

主演したユー・ナンを漢字で書くと、「余男」。
男勝りの女ということで、まさにこの映画のヒロインに相応しい名前だ。
ユー・ナンは、中国・遼寧省出身。
1978年の生まれだから、今年で30歳になる。
幼稚園で映画に初出演したというから芸歴は長いようだ。
2000年の『月蝕』、2002年の『驚蟄』などの好演で知名度を上げ、中国金鶏奨最優秀主演女優賞やパリ国際映画祭主演女優賞などの受賞歴がある。
2006年の『トゥヤーの結婚』が2007年度ベルリン国際映画祭グランプリを受賞し、彼女の名は、一躍世界中に広まった。
クリスティーナ・リッチ、韓流スターのRain(ピ)、真田広之らの出演がきまっている『マトリックス』のウォシャオスキー兄弟最新作『スピード・レーサー』に、香港の有名女優スー・チーや韓国実力派女優チョン・ドヨンを押しのけて大抜擢され出演。
英語とフランス語に堪能で、コン・リーやチャン・ツィイーに続く、中国出身の国際女優として活躍が期待されている。

この映画、トゥヤーの発する言葉のひとつひとつが、ものすごく深い。
それは、厳しい自然環境のなかで育まれ、鍛えられて、発せられた言葉だからだろう。
最近はやりの薄っぺらい人生訓ではなく、原始的とさえ言えるナマの言葉だ。
男とは何か?
女とは何か?
根源的な意味を問いかけてくる。
私の尊敬する評論家・川本三郎氏が、この映画を見て、
「たくましく美しいヒロインに私も求婚したくなった」
と語っていたが、私もまったく同感!
レビューを書いていたら、また彼女に逢いたくなってきた。

厳しい自然環境、生きていくだけで精一杯というような状況に置かれると、人間は強くならざるを得ないと思います。
リーさんの場合も、トゥヤーとは違った意味で、あの時は厳しい環境におられたように思います。
リーさんも、私にとっては、強い凛とした女性に見えましたよ。
リーさんは、自分で思っている以上に、強い女性だと思います。
あのときの決断は間違いではなかったかと思うときがあります。
もっとわたしが強ければ、結果は違っていたような気がして…