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「逢いたい人に逢いに行く」という特別企画の第39回目は、
クライマーの山野井泰史さん。
この特別企画は、第1回から第38回まで、すべて女性で、
ほぼ「好きな女性に逢いに行く」という趣旨の企画だった。(コラコラ)
なので、逢いに行く相手が男性というのは初の出来事なのである。
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山の魅力や安全登山の知識などを紹介するイベント「夏山フェスタin福岡」。
このイベントは、国民の祝日である8月11日の山の日制定にちなみ、
2016年から毎年6月に(福岡市中央区の電気ビル共創館で)開催されており、
コロナ禍の中止を挟み、今年で第7回目を迎える。
毎回、魅力的なゲストを招いて講演会を行っているのだが、私は、
「第2回 夏山フェスタin福岡2017」(ゲスト・南谷真鈴さん)
「第6回 夏山フェスタin福岡2023」(ゲスト・かほさん)
に参加し、レポをこのブログに書いている。(タイトルをクリックするとレポが読めます)
今年の「第7回 夏山フェスタin福岡2024」は、
6月22日(土)、23日(日)の2日間開催されたのだが、
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特に23日は、私の好きな(というか尊敬する)クライマーの山野井泰史さんが講演されるということで、行ってみることにしたのだった。
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午前10時頃に、
福岡市中央区の電気ビル共創館に到着。
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山野井泰史さんの講演会のチケットは売り切れていたが、
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私は事前予約していたので、大丈夫。
受付で名前を行ってチケットを買った。
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「B-16」ということで、2列目の(演壇のすぐ前の)すごく良い席だった。
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会場には、登山用品メーカーや自治体が出展し、
登山ルート、トレッキングコース、山小屋の情報などを発信していた。
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登山用品なども展示販売もされており、とても賑わっていた。
山野井泰史さんの講演会は15:10からだったので、一旦会場を離れ、福岡天神をブラブラ。
ジュンク堂書店で本を買ったり、登山用品店を巡ったりした。
14:00前に「夏山フェスタin福岡」の会場に戻り、
時間まで山本正嘉氏(鹿屋体育大学名誉教授)のセミナー「山をより快適に歩くための3つのポイント」を聴講する。
そして、15:10になり、
「ひたすら登り続けた半生と軌跡」と題した、
山野井泰史さんの講演(彼の年表史を紐解く形でのスライドショー)が始まった。
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山登りをする人に山野井泰史さんを知らない人はいないと思うが、
山登りをしない人にとっては知らない人が多いと思うので、
簡単にプロフィールを紹介しておこうと思う。
【山野井泰史】
1965年4月21日生まれ。東京都出身。
1980年、中学3年のときに日本登攀クラブに入会。
以降、高難度のフリークライミングから海外のビッグ・ウォールまで、
常に先鋭的な登攀を続けている。
主な登攀記録は、
1987年、ヨセミテ エル・キャピタン「ラーキングフィア」(単独第三登)。
1987年、アルプス ドリュ(3733m)西壁「フレンチディレッティシマ」(単独初登)。
1988年、カナダ北極圏バフィン島 トール西壁(単独初登)。
1990年、パタゴニア フィッツ・ロイ(冬季単独初登)。
1992年、ネパール アマ・ダブラム(6812m)西壁新ルート(冬季単独初登)。
1994年、チベット チョー・オユー(8201m)南西壁新ルート(単独初登)。
1995年、パキスタン ブブリモティン(6000m)南西壁(初登)
1996年、ネパール マカルー(8463m)西壁 単独、敗退
1998年、ネパール クスム・カングル(6367m)東壁(単独初登)。
2000年、パキスタン K2(8611m)南南東リブ(単独初登)。
2001年、パキスタン ビャヒラヒタワー(5900m)南壁(初登)。
※文部科学大臣スポーツ功労賞 受賞。
2002年、チベット ギャチュン・カン(7952m)北壁(第二登)。
※ソロ登頂に成功するものの、帰路に雪崩に遭い、両手および右足の指を計10本失う代償を払うことに。この登攀を含めた近年の目覚ましいアルパインスタイルでの登山が評価され、朝日スポーツ賞、植村直巳冒険賞を受賞。
2005年、中国四川省 ポタラ(5428m)北壁(単独初登)。
2007年、グリーンランド オルカ(初登)。
2013年、ペルー プスカントゥルパ東峰(5410m)南東壁(初登)。
2017年、インドヒマラヤ ルーチョ(6000m)東壁(初登)。
2021年、数々の登攀登山についての功績が評価され、登山界のアカデミー賞とも言われるピオレドール2021生涯功労賞 受賞。
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これらの登攀記録を見ても、山をやらない人にとってはピンとこないと思う。
七大陸最高峰登頂とか、
8000m峰全14座登頂とか、
一般の人にも判りやすい記録みたいなものがあれば違うと思うが、
山野井泰史さんはエベレストにさえ登っていないので、
一般の人にとっては、なにが凄いのか理解不能であることだろう。
山野井泰史さんが受賞した、
登山界のアカデミー賞とも言われるピオレドール生涯功労賞は、過去には、
ラインホルト・メスナー(人類史上初の8000メートル峰全14座を無酸素で完全登頂)、
ダグ・スコット(エベレスト南西壁の初登攀に成功)、
ヴォイテク・クルティカ(アルパインスタイルによる高所登山のパイオニアの一人)
など凄い面々が受賞しており、
彼らに並んでクライミングの歴史にその名を刻んだ(アジア人初)……といえば、
少しは理解していただけるのではないかと思う。
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※詳しくは、過去記事の映画レビュー
映画『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』 ……極限の人……
を参照。
講演内容には詳しくは触れないが、
印象に残った言葉をひとつだけ記しておきたい。
これほどまでに先鋭的な登攀を続けていると、
誰もがどこかで命を落とすものだが、(事実、多くのクライマーが命を落としている)
山野井泰史さんは、なぜ生きて還り続けられたのか?
そのことについて、彼は、
「ぼくは登頂しても喜ばない」から、
と答えていた。
「無事下山できたときに初めて喜ぶ」と。
「登頂して喜びを爆発させる人は、山で命を落としやすい」のだとか。
別の場所で、山野井泰史さんは、
「次を考える想像力。そういうものが僕には備わっていたのではないかと思う」
と語っていたが、
その場その場で一喜一憂するのではなく、
物事をトータルで考えることができる冷静さを持っているからだと、私は思った。
講演会の終了後、
「山野井泰史さんが受付カウンターのところにおられます」
というアナウンスがあったので、急いで駆けつけた。
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写真撮影やサインにも気軽に応じておられ、ビックリ。
映画やTVドキュメンタリーや本などの印象から、
気難しい、とっつきにくい方だと勝手に想像していたのだが、
こんなに気さくな方だとは思ってもいなかった。
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私も写真を撮らせてもらい、
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握手もしてもらい、
サインもしてもらった。(本を持っていなかったのでチケットの裏側に)
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誰に対しても神対応の山野井泰史さんに、
〈山野井泰史さんはやはりスゴイ人だ!〉
と思ったことであった。
今日も「一日の王」になれました~
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