
昨年(2024年)の2月中旬、
近くの里山で、“ロウバイの並木道”を見つけた。
ロウバイの木はポツンと立っているイメージがあり、
並木になっているのはあまり見たことがなかったので嬉しかった。
だが、残念なことにそのときはすでに花のピークは過ぎていて、
〈来年こそ……〉
と、その場で決意したのだった。
……あれから一年、
あちこちでロウバイが満開になっているのを目にしたので、
昨年見つけたあの“ロウバイの並木道”へ行ってみた。

ところが、まだ三分咲きか四分咲き程度であった。


それでも好い匂いが辺り一面にたちこめ、
芳香に酔わされるほどであった。

この“ロウバイの並木道”は、
観光客や登山者などとは無縁な隠れ里のような田舎道にあり、
ロウバイを見ているのは私一人だった。

満開になるのは一週間後、いや、もっと先だろうか……
満開の頃にまた来たいと思った。

「蝋梅の 香の一歩づつ ありそめし」(稲畑汀子)
