一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

ミヤマキリシマの天山 ……“マイクロツーリズム”で稜線の花の宴を楽しむ……

2020年06月05日 | 天山・彦岳


数日前の新聞の記事で“マイクロツーリズム”という言葉を知った。
元々は、星野リゾートの星野代表が提唱したもので、
3密を避けて地元の人が近場で過ごすことを意味し、
自宅から15分〜1時間程の距離で、
県境をまたぐ移動ではなく、
地元で安心、安全に楽しく過ごそうというもの。
「遠出をするのではなく、自分の家から近い範囲で楽しもう!」
ということなのだが、
〈そんなことなら、俺、もう、やってるやん!〉
と思った。(笑)
「2017年・極私的回顧」で、私はこう記している。

昨年あたりから遠くの山へ行くことが少なくなり、
ホームマウンテンである天山や、
作礼山、八幡岳、鬼ノ鼻山など、家から近い山を主体とした山歩きに変わってきた。
これは、私が60歳を過ぎ、
人生の残り時間というものを意識するようになったということも影響していると思う。
私は、登山以外にも、したいことがたくさんある。
映画鑑賞、読書はもちろんのこと、
コンサートにも行きたいし、スポーツ観戦もしたい。
家族との時間も大切にしたい。
片道3時間も4時間もかけて遠くの山へ行くその時間(往復6~8時間)が、
モッタイナイと思えてきたのだ。
そんな時間があったら映画を何本も見ることができるし、
長編小説だって一冊読破できる。
時間をもっと有効利用したいと思っているからだ。
それに、
山岳会に所属していた時代を含め九州内の主だった山はほとんど登っているし、
もともと、「○○百名山」の類にはまったく興味がなく、
近場の山だけで十分に満足を得られるようになってきたことも大きい。
(全文はコチラから)

今では、この登山スタイルがすっかり身に付き、
家から登山口まで(車で)30分以内で行ける山にしか登らなくなっている。
なので、私はすでに3~4年前から“マイクロツーリズム”を実践していたということになる。(笑)
もしかして、“マイクロツーリズム”の真の提唱者は私なのかもしれない。(コラコラ)
だからだろう、コロナ禍にあっても、私はほとんどストレスを感じなかった。

自画自賛はこのくらいにして、(爆)
昨日(6月4日)も、
“マイクロツーリズム”で天山のミヤマキリシマを楽しんできた。

天川登山口へ向かう途中、
草原に立ち寄り、山野草を楽しむ。


ヒナギキョウが咲いていた。


カワイイ。


キキョウソウも咲いていた。
嬉しい。


ソクシンラン、


ウツボグサ、


スイカズラ、


ナルコユリ、


セイヨウノコギリソウなどの花にも逢うことができた。


天川登山口から登り始める。


タツナミソウがたくさん咲いていた。


いいね~


登山道沿いでもミヤマキリシマを見ることができる。


緑のトンネルの中を、


ゆっくり歩いて行く。


バイカイカリソウがまだ咲いている。


下からパチリ。


こちらにも咲いている。


嬉しい。


いつもの場所で立ち止まる。


私が「天山のチングルマ」と名付けているノイバラの花も咲いている。


もうすぐ山頂という所にも、ミヤマキリシマが咲いていた。


振り返ると、こういう景色。


天山山頂に到着。
誰もいない。
ラッキー!


あめ山ははっきり見えたが、


南側には雲があり、展望は楽しめなかった。


さあ、稜線散歩。


ミヤマキリシマはもう終盤を迎えていると思ったが、
美しい花のかたまりが、まだあちこちに点在している。


ミヤマキリシマ越しに脊振山系の山々を眺める。


くじゅうや雲仙に比べると、花の数は少ないが、
何事も控えめな私(笑)としては、天山のミヤマキリシマが一番好もしい。


こんな風景も独り占めなのだ。


縦走路沿いにもミヤマキリシマが咲いている。


楽しくて仕方がない。


左側(北側)は、脊振山系を背景として、こんな風景が広がっているが、


右側(南側)の風景も、(雲で展望は得られないものの)結構楽しめる。


ミヤコザサの中に、ミヤマキリシマが点在し、




天山ならではの、独特の風景を創り上げている。


いつもの場所で、こんな風景を見ながら珈琲タイム。


腰を下ろしている傍らに、一輪のミヤマキリシマが咲いていた。


たった一輪というのが………奥ゆかしくて「いいね~」。


本日の「天山壁」。


ミヤマキリシマ越しに見上げる「天山西壁」。


山頂に戻る道でも、ミヤマキリシマを楽しむ。


見る方向が異なるだけで、随分と違って見える。


ここまで、誰にも会わなかった。
今日も「一日の王」になれました~

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