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「一人読書会」というカテゴリーでは、これまで、
読了した後に、本のレビューを書いていたが、
これからは読書と並行して、何かしらを書いていきたいと思う。
何を書くかは決めていない。
あらすじなのか、感想なのか、単なるメモみたいなものか、
本を読んでいく中で、気づいたものを記していきたいと思っている。
毎日少しずつ読みたいと思っているが、
『魔の山』を一日何頁読むか決めているわけではなく、
気分次第という部分もある。(コラコラ)
正直に話すと、トーマス・マンの『魔の山』を読み通す自信が私にはない。(笑)
手にしているのは新潮文庫(高橋義孝訳)なのだが、
文庫本上下巻、計1500頁ほどもある大著なのだ。
しかも、古今東西の文学の中でも、とりわけ複雑難解な作品と言われており、
難攻不落の山なのである。
『魔の山』という小説のタイトルからしておどろおどろしい。(爆)
いくら登山好きとはいっても、
とても私のようなド素人が挑める山ではないのである。
だが、読んでみたい!
『魔の山』に登頂したいのである。
こそっと読み始めたならば、きっと途中で挫折するに違いない。
「読了する」と公言すれば、後には引けなくなるので、
もしかしたら読み通せるかもしれない。
そんな甘い考えで、読書と並行してブログに何かしら書いていくことを決めた次第。
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トーマス・マン(Mann,Thomas)
(1875-1955)ドイツ、リューベックに生れる。実科高等学校を中退し、火災保険会社の見習い社員となるが一年で辞め、大学の聴講生となる。1894年、処女短編「転落」を発表し、詩人デーメルに認められた。1901年『ブデンブローク家の人々。ある家族の没落』で注目を集め、以降、『トニオ・クレーゲル』『ヴェニスに死す』『マーリオと魔術師』など話題作を次々と発表。1924年、11年の歳月を費やして長編『魔の山』を完成させた。1929年、ノーベル文学賞受賞。他に『ワイマルのロッテ』『ヨゼフとその兄弟たち』『選ばれし人』等著書多数。
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『魔の山』は、
スイスのダヴォースにある国際結核療養所を舞台に、
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主人公ハンス・カストルプの1907年から1914年までの7年間の滞在を描いたもので、
彼はいとこを見舞うために三週間の予定で療養所を訪れるのだが、
自身も肺を病んでいることがわかり、
長期滞在を余儀なくされてしまう。
そこで彼が見たのは、世界各国から集まる患者たちの自堕落な生活と、
死が日常化した日々。
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彼はここから出ることはできるのか。
主人公が封じ込められた「魔の山」とは、いったい何を表しているのか……
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要約すると、こんな話のようなのだが、
なんだか暗そうな話で、気が滅入る。(笑)
私のような単細胞の人間が、はたして読み通せるのか?
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『魔の山』読了計画の1回目は、
44頁までの第一章を読んだ。
第一章には、「到着」「三十四号室」「レストランにて」という三つの節があり、
第一節「到着」では、主人公ハンス・カストルプが結核療養所に到着するまでを、
第二節「三十四号室」では、「三十四号室」に案内されてからのことを、
第三節「レストランにて」では、いとこのヨーアヒムからシュテール夫人のことを聞き、
部屋へ戻る途中に会ったドクトル・クロコフスキーとの会話が記されている。
「よくいらっしゃいました。カストルプさん。早くこの土地に慣れて、私たちのなかで愉しくおすごしください。失礼なことをおききしますが、こちらへは患者としておいでになったんでしょうな」
ハンス・カストルプは、自分は三週間の予定でここに来たこと、自分はまったく健康であることを告げる。
すると、クロコフスキーは、
「ほんとうですか?」
とからかうように言い、
「しかし、そうだとすると、あなたはきわめて研究に値する現象ですね。つまり、まったく健康な人間なんて、私はまだお目にかかったことがないのですから」
と、不吉なことを言う。
ハンス・カストルプが案内された三十四号室は、一昨日アメリカ人女性が死んだ部屋だった。
アメリカ人女性が死んだばかりの「臨終のベッド」で、ハンス・カストルプはその夜、夢を見る。
それは、どろどろとした咳をするヨーアイムが、二連そりで斜面を下りていく夢だった。
ダヴォースに到着したばかりのころ、ハンス・カストルプにヨーアヒムがこう言ったのだ。
ここでは冬に人が亡くなると二連そり(ボブスレー)で運ばれるのだと。
ちょっと恐いが、これからの展開が少し楽しみになってきた。
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