![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/62/df350711ebad0a7665f6d28dd81a5ce5.jpg)
せんべいをバリバリ音をたてて食べながら、
或いは、大きなお腹をボリボリ掻きながら、
或いは、大きな口を開けてアクビをしながら、
〈タクさんは今日は山ではなく映画に行ったのか~〉
などと呟いている、あなた、
そう、あなたのことです。
もはや、若く美しかった頃の面影もなく、
ただの疲れ切っているおばさん、
或いはおじさん。
そんなくたびれているあなたも、
高校生くらいまでは、
ピュアで健気な女の子、
或いは男の子であった筈だ。
言いたい事も言えない、恥じらいの塊のような、あなた……
そんなあなたは、一体どこへ行ってしまったのか?
若く美しかった、かつてのあなた。
ピュアだった頃のあなたは、きっと魅力的だったに違いない。
あなたに対して胸をときめかせた異性も、ひとりやふたりはいただろう。
いや、5~6人はいたかもしれない。
告白されなかったとしても、それは相手が言い出せなかったのだ。
あなたが美しすぎて、近寄りがたく、言葉をかけることすらできなかった……
きっと、そうだ。
冗談はさておき、(オイオイ冗談かよ)
映画『君に届け』のパンフレットには、次のような文章が記されている。
《片想いという名前で呼ばれる恋の中には、
たくさんの両想いがかくれている。
そのことを知っていますか?
自信がないから。勇気が出ないから。
きっかけが訪れないから…。
そんな言葉と一緒に消えていく
たくさんの想いがあるから、
この映画を贈ります。
まだ届いていない、両想いたちへ。
真っすぐな想いはいま、
動き出すその瞬間を待っている。》
あなたに対して告白できなかった異性が(たぶん)いたように、あなたもまた、好きな人に告白できなかった想い出があるのではないだろうか?
もし、あの時、告白していたならば……
想いを届けていたならば……
人生に「たら・れば」はないと解ってはいても、つい考えてしまう……
映画『君に届け』は、
「初めての大好き」を、
「君に届け」と願った高校生たちの物語である。
原作は、椎名軽穂の超人気コミック『君に届け』(累計発行部数1400万部って、スゲ~)。
原作のコミックは少しだけ読んだことがあるが、おじさんでもグッと惹きつけられる内容で、胸キュンのストーリーであった。
【ストーリー】
黒沼爽子(多部未華子)は、高校の入学式の日に道を教えてあげた風早翔太(三浦春馬)と同じクラスになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/61/ac28fe868d3d3a3953f20aef38b2582e.jpg)
爽子は、とても真面目で健気な女の子。
座右の銘は、「一日一善」。
だが、まっ黒な長い髪と、暗い性格が災いして、周囲から恐がられ「貞子」というあだ名までつけられている。
爽子とは正反対で、明るく爽やかで誰に対しても分け隔てなく接する風早は、クラス全員から慕われる人気者。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/48/f7a9ecc9b15badc09fa49376be8dd451.jpg)
爽子にもみんなと同じように接してくれる風早に対して、爽子は次第に憧れと尊敬の気持ちを抱くようになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/03/0c691cb66917bcd517186cdc6ec20e8a.jpg)
一方、風早も、人知れずクラスや学校のために働く爽子に対して、特別な感情を抱くようになる。
夏休み前、
クラス全員参加の肝試しを企画した風早は、
躊躇していた爽子にも参加を呼びかける。
爽子は、教室で「貞子、お化け役やんね~かな~」と話していた吉田千鶴(蓮佛美沙子)と矢野あやね(夏菜)の声を聞き、少しでもみんなの役に立とうとお化けの役を志願する。
肝試し当日、
爽子のお化け役は大成功し、千鶴やあやね、それに風早とも少し仲良くなる。
夏休みが終わり、二学期に入り、クラスで席替えが行われる。
爽子の近くの席になると「呪われる」と怯えた空気が広がる中、率先して爽子の隣の席に座る風早。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/d9/5fbbfeb9119a1c43344047ab3b88df17.jpg)
さらに千鶴とあやね、風早の親友である真田龍(青山ハル)が自主的に爽子の周りの席に座ってくれる。
千鶴やあやねとようやく打ち解け始めた爽子であったが、他の生徒の心ない言葉を聞いて、二人を避けるようになる。
また千鶴とあやねも、爽子が流しているという自分達の悪い噂を学校内で耳にする。
ぎこちない3人の関係を見かねた風早からのひとことに勇気をもらった爽子は、悪い噂を流す生徒にひとり立ち向かう。
そこに駆けつける千鶴とあやね。
そして、爽子を抱きしめる。
3人の気持ちが通じ合った瞬間であった。
秋の体育祭。
爽子たちは女子はサッカーで、
風早や龍たち男子はソフトボールで好成績をあげ、
クラスの盛り上がりに押され、不器用ながらもハイタッチをする爽子と風早。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/52/47a4a149cb4094fbc71669051d83de08.jpg)
その様子を見ていたくるみ(桐谷美玲)に呼び出された爽子は、
「私は風早くんが好きなの」
と打ち明けられる。
「応援して」と言われ、「はい」と言えない爽子。
くるみからぶつけられた言葉が、爽子の中に芽生えた想いを自覚させる。
いろいろなことがあって迎えたクリスマス。
クリスマスイブには、クラス全員参加のパーティを企画した風早だけれど、本当の願いはもうひとつにあった。
そして、仲間とのクリスマスパーティにあこがれながらも、父や母を思って出席にふみきれない爽子。
風早の、そして爽子の想いは、届けたい人のもとにきちんと届くのだろうか……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/ff/35890621e145f4aab65dd30be938172e.jpg)
本当にピュアで健気な高校生の物語である。
中年のおじさんが見ても、まったく違和感なく見ることができる内容で、若い人だけでなく、中高年の方々にもぜひ見てもらいたい作品である。
この映画を見ていると、なんだか今の高校生の方が、昔の高校生よりももっと純情のような気がしてくる。
いや、昔も今も(いつの時代も)、思春期の若者たちは、ピュアで健気なのかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/8b/e583a4a14cf749332f5ae6b03576ac4a.jpg)
黒沼爽子を演じた多部未華子。
『夜のピクニック』(2006年)を見て以来、ずっと好感を抱いている女優。
この『君に届け』でも、黒沼爽子を実にうまく演じている。
この原作のコミックには熱烈なファンが大勢いるが、多部未華子演ずる黒沼爽子を悪く言う人はそんなにいないのではないだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/40/a280d102ac1018c37d87fc6c3c4c4c3f.jpg)
風早翔太を演じた三浦春馬。
本当に爽やか。
コミックの中の黒沼爽子の言葉を借りれば、
「爽やかさ……100% むしろもう爽やかから出来てますって感じなの……」
ってな具合。
本当にクラスにこんな男子がいたら、モテるだろうな~
映画を見た女性は、誰もがファンになること間違いなし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/b5/49ee5713e9db741684ef5a54031b90f1.jpg)
この爽やかなふたりを囲むクラスメイト役の蓮佛美沙子、夏菜、青山ハル、桐谷美玲もコミックのキャラクターそのままに、実にうまく演じている。
黒沼爽子の両親を演じた勝村政信と富田靖子も良かった。
特に、父親を演じた勝村政信と多部未華子の会話にグッときた。
爽子の父親は、爽子が産まれた時、すべてを放り投げて爽子に会いに駆けつけた過去をもつ。
そんな父親に、爽子が言う。
「会いたい人がいるの。今日じゃなきゃダメなの」
と。
すると、父親は言う。
「だったら行かなきゃ……本当に会いたい時には、全部放り投げて会いに行かなきゃ」
若いふたりの行動だけでなく、父親の感情まで描き出しているところが、この映画の優れている点だ。
そういう意味でも、あらゆる年代の方々に見てもらいたい作品である。
この作品は、そのほとんどが、栃木県足利市でロケされている。
足利市は人口15万人ほどの小都市。
映画『君に届け』の舞台にふさわしい懐かしさいっぱいの町である。
足利市には日本最古の学校・足利学校があり、私の住む町にある多久聖廟とも交流がある。
そういう意味でも親しみのもてる町だ。
こういう小都市でロケされた映画が大好きな私としては、この『君に届け』も私の中で特別な存在の作品になった。
もし足利市が近くにあるならば、さっそくロケ地巡りなどしている筈だ。
足利市では、そういうファンの為に、ロケ地マップを作成しているとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/46/945cf5b85e8861f1749718b21013649b.jpg)
爽やかな気分になれること間違いなしの作品。
恋愛だけでなく、父親の感情や、女子の友情も描いていて(この部分は泣くこと必至)、これからも世代をこえて、ずっと愛されて続けていくであろう作品。
ぜひぜひ映画館で……
或いは、大きなお腹をボリボリ掻きながら、
或いは、大きな口を開けてアクビをしながら、
〈タクさんは今日は山ではなく映画に行ったのか~〉
などと呟いている、あなた、
そう、あなたのことです。
もはや、若く美しかった頃の面影もなく、
ただの疲れ切っているおばさん、
或いはおじさん。
そんなくたびれているあなたも、
高校生くらいまでは、
ピュアで健気な女の子、
或いは男の子であった筈だ。
言いたい事も言えない、恥じらいの塊のような、あなた……
そんなあなたは、一体どこへ行ってしまったのか?
若く美しかった、かつてのあなた。
ピュアだった頃のあなたは、きっと魅力的だったに違いない。
あなたに対して胸をときめかせた異性も、ひとりやふたりはいただろう。
いや、5~6人はいたかもしれない。
告白されなかったとしても、それは相手が言い出せなかったのだ。
あなたが美しすぎて、近寄りがたく、言葉をかけることすらできなかった……
きっと、そうだ。
冗談はさておき、(オイオイ冗談かよ)
映画『君に届け』のパンフレットには、次のような文章が記されている。
《片想いという名前で呼ばれる恋の中には、
たくさんの両想いがかくれている。
そのことを知っていますか?
自信がないから。勇気が出ないから。
きっかけが訪れないから…。
そんな言葉と一緒に消えていく
たくさんの想いがあるから、
この映画を贈ります。
まだ届いていない、両想いたちへ。
真っすぐな想いはいま、
動き出すその瞬間を待っている。》
あなたに対して告白できなかった異性が(たぶん)いたように、あなたもまた、好きな人に告白できなかった想い出があるのではないだろうか?
もし、あの時、告白していたならば……
想いを届けていたならば……
人生に「たら・れば」はないと解ってはいても、つい考えてしまう……
映画『君に届け』は、
「初めての大好き」を、
「君に届け」と願った高校生たちの物語である。
原作は、椎名軽穂の超人気コミック『君に届け』(累計発行部数1400万部って、スゲ~)。
原作のコミックは少しだけ読んだことがあるが、おじさんでもグッと惹きつけられる内容で、胸キュンのストーリーであった。
【ストーリー】
黒沼爽子(多部未華子)は、高校の入学式の日に道を教えてあげた風早翔太(三浦春馬)と同じクラスになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/61/ac28fe868d3d3a3953f20aef38b2582e.jpg)
爽子は、とても真面目で健気な女の子。
座右の銘は、「一日一善」。
だが、まっ黒な長い髪と、暗い性格が災いして、周囲から恐がられ「貞子」というあだ名までつけられている。
爽子とは正反対で、明るく爽やかで誰に対しても分け隔てなく接する風早は、クラス全員から慕われる人気者。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/48/f7a9ecc9b15badc09fa49376be8dd451.jpg)
爽子にもみんなと同じように接してくれる風早に対して、爽子は次第に憧れと尊敬の気持ちを抱くようになる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/03/0c691cb66917bcd517186cdc6ec20e8a.jpg)
一方、風早も、人知れずクラスや学校のために働く爽子に対して、特別な感情を抱くようになる。
夏休み前、
クラス全員参加の肝試しを企画した風早は、
躊躇していた爽子にも参加を呼びかける。
爽子は、教室で「貞子、お化け役やんね~かな~」と話していた吉田千鶴(蓮佛美沙子)と矢野あやね(夏菜)の声を聞き、少しでもみんなの役に立とうとお化けの役を志願する。
肝試し当日、
爽子のお化け役は大成功し、千鶴やあやね、それに風早とも少し仲良くなる。
夏休みが終わり、二学期に入り、クラスで席替えが行われる。
爽子の近くの席になると「呪われる」と怯えた空気が広がる中、率先して爽子の隣の席に座る風早。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/d9/5fbbfeb9119a1c43344047ab3b88df17.jpg)
さらに千鶴とあやね、風早の親友である真田龍(青山ハル)が自主的に爽子の周りの席に座ってくれる。
千鶴やあやねとようやく打ち解け始めた爽子であったが、他の生徒の心ない言葉を聞いて、二人を避けるようになる。
また千鶴とあやねも、爽子が流しているという自分達の悪い噂を学校内で耳にする。
ぎこちない3人の関係を見かねた風早からのひとことに勇気をもらった爽子は、悪い噂を流す生徒にひとり立ち向かう。
そこに駆けつける千鶴とあやね。
そして、爽子を抱きしめる。
3人の気持ちが通じ合った瞬間であった。
秋の体育祭。
爽子たちは女子はサッカーで、
風早や龍たち男子はソフトボールで好成績をあげ、
クラスの盛り上がりに押され、不器用ながらもハイタッチをする爽子と風早。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/52/47a4a149cb4094fbc71669051d83de08.jpg)
その様子を見ていたくるみ(桐谷美玲)に呼び出された爽子は、
「私は風早くんが好きなの」
と打ち明けられる。
「応援して」と言われ、「はい」と言えない爽子。
くるみからぶつけられた言葉が、爽子の中に芽生えた想いを自覚させる。
いろいろなことがあって迎えたクリスマス。
クリスマスイブには、クラス全員参加のパーティを企画した風早だけれど、本当の願いはもうひとつにあった。
そして、仲間とのクリスマスパーティにあこがれながらも、父や母を思って出席にふみきれない爽子。
風早の、そして爽子の想いは、届けたい人のもとにきちんと届くのだろうか……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/ff/35890621e145f4aab65dd30be938172e.jpg)
本当にピュアで健気な高校生の物語である。
中年のおじさんが見ても、まったく違和感なく見ることができる内容で、若い人だけでなく、中高年の方々にもぜひ見てもらいたい作品である。
この映画を見ていると、なんだか今の高校生の方が、昔の高校生よりももっと純情のような気がしてくる。
いや、昔も今も(いつの時代も)、思春期の若者たちは、ピュアで健気なのかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/8b/e583a4a14cf749332f5ae6b03576ac4a.jpg)
黒沼爽子を演じた多部未華子。
『夜のピクニック』(2006年)を見て以来、ずっと好感を抱いている女優。
この『君に届け』でも、黒沼爽子を実にうまく演じている。
この原作のコミックには熱烈なファンが大勢いるが、多部未華子演ずる黒沼爽子を悪く言う人はそんなにいないのではないだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/40/a280d102ac1018c37d87fc6c3c4c4c3f.jpg)
風早翔太を演じた三浦春馬。
本当に爽やか。
コミックの中の黒沼爽子の言葉を借りれば、
「爽やかさ……100% むしろもう爽やかから出来てますって感じなの……」
ってな具合。
本当にクラスにこんな男子がいたら、モテるだろうな~
映画を見た女性は、誰もがファンになること間違いなし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/b5/49ee5713e9db741684ef5a54031b90f1.jpg)
この爽やかなふたりを囲むクラスメイト役の蓮佛美沙子、夏菜、青山ハル、桐谷美玲もコミックのキャラクターそのままに、実にうまく演じている。
黒沼爽子の両親を演じた勝村政信と富田靖子も良かった。
特に、父親を演じた勝村政信と多部未華子の会話にグッときた。
爽子の父親は、爽子が産まれた時、すべてを放り投げて爽子に会いに駆けつけた過去をもつ。
そんな父親に、爽子が言う。
「会いたい人がいるの。今日じゃなきゃダメなの」
と。
すると、父親は言う。
「だったら行かなきゃ……本当に会いたい時には、全部放り投げて会いに行かなきゃ」
若いふたりの行動だけでなく、父親の感情まで描き出しているところが、この映画の優れている点だ。
そういう意味でも、あらゆる年代の方々に見てもらいたい作品である。
この作品は、そのほとんどが、栃木県足利市でロケされている。
足利市は人口15万人ほどの小都市。
映画『君に届け』の舞台にふさわしい懐かしさいっぱいの町である。
足利市には日本最古の学校・足利学校があり、私の住む町にある多久聖廟とも交流がある。
そういう意味でも親しみのもてる町だ。
こういう小都市でロケされた映画が大好きな私としては、この『君に届け』も私の中で特別な存在の作品になった。
もし足利市が近くにあるならば、さっそくロケ地巡りなどしている筈だ。
足利市では、そういうファンの為に、ロケ地マップを作成しているとのこと。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/46/945cf5b85e8861f1749718b21013649b.jpg)
爽やかな気分になれること間違いなしの作品。
恋愛だけでなく、父親の感情や、女子の友情も描いていて(この部分は泣くこと必至)、これからも世代をこえて、ずっと愛されて続けていくであろう作品。
ぜひぜひ映画館で……