一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

登吾留山 ……キンランの咲き乱れる森へ、そしてさらに奥へ……

2014年04月30日 | 登吾留山
私にはゴールデンウィークはない。
(そういえば、盆も正月もない)
浮かれ騒ぐ人々を尻目に、
いつも普通に働いている。
そして、決められた私の公休日に休むのみである。

今日は、その公休日。
雨が降ったり止んだりの天気だが、
登吾留山へ行ってきた。
ちょうどこの時期、
その山はキンランが咲き乱れるのだ。

山の入口には、オドリコソウが群生していた。


珍しい花ではないが、私の大好きな花。


オドリコソウの群生地に、カノコソウも咲いていた。
蕾も美しいけれど、


開花した花も美しい。


ヤマブキの花も咲いている。


この花を見ると、北アルプスで見たシナノキンバイを思い出す。


雨が降ったり止んだり。


雨に濡れた花は、一際美しい。






ヤマツツジが咲いていたので近寄ると、


蜘蛛の巣と水玉によるデコレーションがなされていた。


ホウチャクソウの群生地があった。


緑がしたたり落ちてくる。




キンランの森へたどり着いた。


たくさん咲いている。


キンランがこれほどたくさん咲いている森を、私は他に知らない。


雨が降ったり止んだりしているので、
ほとんどのキンランが花を閉じたままだ。


閉じた花も美しい。


ずんずんと分け入っていく。
大きなキンランに出逢った。


しばらく歩くと、もっと大きなキンランに出逢った。
こんなにたくさんの花をつけたキンランもイイけれど、


一輪だけのキンランも素敵だ。


同じところにヒメハギも咲いているが、
やはり目立たない。


もっと奥へ入っていく。


ここまでに、もう100株以上のキンランを見ている。


この森には、どのくらいの数のキンランが咲いているのだろう。


ツインタワーのようなキンランに出逢った。
背が高く、スタイルが良かった。


こちらは、落葉のなかに、ぽつんと咲いていた。
枯葉の中にみずみずしい命がある。


もっともっと奥へと進んでいく。


こんなにたくさん見ているのに、
まったく見飽きるということがない。


花の迷宮に彷徨いこんだよう……


雨が止み、
わずかに日が差し込んでくると、
花が少しずつ開き始めた。


私ひとりしかいない森は、静寂に包まれており、


とても静かだった。


花のひらく音が聞こえるようであった。


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