一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

平谷ルートで冬の経ヶ岳を楽しむ

2008年02月07日 | 多良山系
2月3日に多良山系を歩いた人から、ソウメンの滝に氷柱(つらら)がたくさんできているとの情報を得た。
氷結したソウメンの滝を想像すると、いてもたってもいられず、今日の休み(私の公休日)にはぜひ行ってみようと思った。
いつもは黒木の方から登っているので、今回は佐賀県側からのルートで登ってみることにしよう。
中山キャンプ場からだと近すぎるし、コース的に面白味がない。
やはり、平谷ルートが良さそうだ。
奥平谷キャンプ場~馬の背~平谷越~経ヶ岳山頂~中山越~ソウメンの滝~平谷越~馬の背~奥平谷キャンプ場
平谷越からすぐにソウメンの滝を見に行ってもいいが、楽しみは最後にとっておきたい。
まずは経ヶ岳山頂を踏んで、中山越に下り、少し登り返して、北に斜面をトラバースしながらソウメンの滝に至る。
昼近くになれば気温も上昇し、氷柱から雫が落ちて、キラキラ輝いているかもしれない。

朝の7時に、車で家を出た。
7時50分頃、平谷黒木トンネルの手前の広い駐車場に着いた。
登山靴に履き替え、ストレッチをして、8時5分に歩き出した。
登山口にもまだ雪が少し残っていた。


8:32
谷沿いの植林の中を30分ほど歩くと、林道に出た。
雪がかなり残っていたのでビックリした。


8:50
林道を横切り、再び植林の中を20分ほど登ったら、馬の背に着いた。
ここから完全な雪道になった。
樹木も、アカガシなどの自然林に変わった。


薄暗い森に、時折、日が差す。
その瞬間、スポットが当たったように、そこだけ雪が輝く。


9:05
展望岩に着く。
ここからの眺めは素晴らしい!


急な斜面をトラバースするように踏み跡が続いている。
滑り落ちないように注意しながら抜けた。
この他にも、要注意の箇所がいくつもあった。


9:45
平谷越着。
誰もいない。
菓子パンを食べ、レモンティを飲む。


10:05
アイゼンを装着し、平谷越を出発。
すぐにロープのある岩場に到着する。
気を引き締めて、気合いを入れて登る。




岩場を登り詰めたところは展望が開けていて、素晴らしい眺めを満喫できる。
経ヶ岳山頂からの眺めより、ここからの眺めを評価する人もいるほど…。


山頂への平坦な道を歩いていたら、木の葉に乗った雪が、いまにも落ちそうにしていた。
あやういバランスを保ってはいたが、私が去った後に、小さな音をたてて、ポトリと落ちるに違いない。


10:30
経ヶ岳山頂。
ここにも誰もいなかった。
山頂には、少ししか雪がなかった。


山頂からの眺めは抜群だった。
多良山系の山の連なりは、冬ならではの山岳美を見せていた。


ズームで多良岳を捉える。
威厳すら感じられる堂々とした風格ある山容である。


マンサクの黄色い花が、今か今かと出番を待っている。


10:40
下山開始。
平谷越の方に歩いて行くと、中山越への分岐がある。
まっすぐ行くと平谷越。
右側に下りて行くと中山越。


不思議なことに、山頂付近は雪が少ないのに、下れば下るほど積雪がある。


11:25
中山越着。
ここから少し引き返して、右に進路をとり、平谷越に向かう。


中山越から平谷越の間は、このように、斜面をトラバースするように道が続いている。


11:50
ソウメンの滝に到着。
ここにも誰もいない。
いや、ここまで誰にも会っていない。
ソウメンの滝を一人占め。
たくさんの氷柱がキラキラ輝いている。


昨年の5月に撮ったソウメンの滝。
それぞれの季節で、登山者を楽しませてくれる。


極太のソウメン。(笑)


氷柱から雫が落ち、そこから上向きに成長していく氷柱もある。
「氷筍」と言うらしい。


平谷越に着く手前で、ソウメンの滝の方へ向かって歩いてくる中年夫婦に会った。
今日初めて会った登山者である。
「ソウメンの滝が凍っていましたよ」
と教えると、顔に満面の笑みを浮かべて、
「本当ですか! それは楽しみだ!」
と、喜んで二人歩いて行かれた。
12:00
平谷越にて昼食。
食べている時に、中年男性が一人、中山越の方から歩いて来られた。
そして経ヶ岳に向かって歩き去った。


12:25
平谷越を出発。
岩場を慎重に下りる。
ロープを張ってある場所が数ヶ所あり、そこは特に注意しながら下りた。


足下注意!


大木が倒れて登山道を塞いでいた。
根こそぎ倒れており、土を付けた根の大きさに驚いた。


植林された木でも、きちんと意志を持って生きているようだ。
斜面でもちゃんと垂直に伸びている。


13:50
奥平谷キャンプ場着。
とっても楽しい山歩きでした。


平谷ルート、今度は夏に歩こうと思う。
なぜなら、ミヤマウズラを見ることができるから……

コメント (4)    この記事についてブログを書く
« 映画『シルク』で、美の世界... | トップ | テツ&タクの三山(眉山・八... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ソウメンの滝 (そよかぜ)
2008-02-08 08:53:20
ソウメンの滝をご存知とはさすがです。
思っていたより雪が多くてビックリしました。
山は分からないと改めて感じた一日でした。
あの滝は多良を愛する人の密かな楽しみですね。

明日もまた多良山系の予定ですが、藪に突入かも知れず、
雪だったらかなり難しいかも。
返信する
楽しみが増えました! (タク)
2008-02-08 23:28:28
そよかぜさんへ
そよかぜさんのHPの写真がソウメンの滝ではなかったとのこと……
今度行ったとき、ぜひ探してみますね。
また新しい楽しみが増えました。
明日は、多良山系の藪こぎ…ですか!
いや~、スゴイ行動力ですね。
ぜひHPとブログで紹介して下さいね。
私は、連休中の(私にとっての)唯一の休みの10日(日)に、テツさん(同じ山岳会員)と二人で、三山縦走をします。
近くの山で、眉山~八幡岳~船山(女山)を歩きます。
何時間かかることやら……
珍道中は、後日このブログで報告します。
返信する
平谷越 (yan)
2009-02-21 20:15:31
こんばんわ。お邪魔致しています。

平谷越までのコース途中にも、ロープが張ってある危険ヶ所があるとのこと、慎重に歩きたいと思います。

駐車場あたりに比べて、山中は雪がやはり深いようですね。 多良山系の雪景色も見事な眺めです。

「氷筍」珍しいですね。自然の厳しさが分かりますね。

馬の背からの自然林が楽しみです。春になったら、歩いてみようと考えています。

有難うございました。参考にさせて頂きます。


返信する
面白いルート (タク)
2009-02-22 03:17:51
yanさんへ

>平谷越までのコース途中にも、ロープが張ってある危険ヶ所があるとのこと、慎重に歩きたいと思います。

難所というほどではないんですが、私が登った時は積雪していたので、用心して慎重に通過しました。
展望が少ない樹林帯の中を歩くルートなので、ロープ場などがある方がかえって変化があって、面白く感じられると思います。

>駐車場あたりに比べて、山中は雪がやはり深いようですね。多良山系の雪景色も見事な眺めです。

冬の多良山系は、山岳美と言ってイイような素晴らしい姿を見せてくれますね
これも魅力のひとつですね。

>「氷筍」珍しいですね。自然の厳しさが分かりますね。

ソーメンの滝は、夏場は涸れていることも多いのですが、普段は本当にソーメンのように細い幾筋もの線で流れ落ちていて、美しいですよ。
寒い冬は凍結していることも多く、極太のソーメンになってます。

>馬の背からの自然林が楽しみです。春になったら、歩いてみようと考えています。

春になったら花も咲き始めますから、それも楽しみですね。
平谷周辺は、温泉、湧き水などもあり、楽しいですよ。
返信する