一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

朝駆け「天山」 ……新しく購入したウェカ30のデビューはホームマウンテンで……

2020年01月10日 | 天山・彦岳
登山をするようになって以来、
いろんなメーカーのザックを使ってきたが、
2011年頃までは、主に、オスプレーのザックを愛用していた。
だが、2011年の夏、
「海抜0メートルから登る富士山」に挑戦したとき、
ショルダーハーネスとショルダーストラップの繋ぎ目が切れかかっているのを発見し、
応急処置として、ショルダーストラップの余っている部分を引っ張り上げて、ショルダーハーネスに結びつけたのだが、
〈オスプレーって、こんなにチャチだったのか?〉
と、ちょっとガッカリした。(コチラを参照)
以来、私がザックに求める条件は、ただひとつ。
それは、「丈夫さ」。

富士山から帰って、私が買い求めたのが、
マックパックの「カカポ35」。
マックパックとは、


ニュージーランド発のアウトドアブランドで、


このマックパックのザックには、
ブランドの代名詞とも言える機能素材「アズテック(AzTec)」という生地が使われており、
その頑丈さには定評があったからだ。


【アズテック(AzTec)】
マックパックの多くの製品で使用されている強靭な生地。
このキャンバス生地は、
隣国オーストラリアで、軍用テントなどのキャンバスを生産していた高度な紡績技術を持つ工場の協力を得て開発された帆布で、
マックパックだけが使用することを許可されている貴重なもの。
独特な光沢や質感は、一般的な生地にはない個性となっている。
生地は綿とポリエステルの混紡糸を高密度で織り上げたハイブリッド仕様。
さらに防水液に浸して耐水加工を施してある。
生地厚は6、8、12オンスがあり、どれも引き裂きや突き刺しにとても強い。
登山で岩や枝に引っかけようとも、簡単に穴があくことはない。
また、適度なコシがあるため、パックの型崩れを防いでくれ、
パッキングしやすいメリットもある。
高い耐水性が持続するのも特長だ。
濡れた場合、ハイブリッド混紡糸の綿が膨張するため、
さらに織り密度が高まって耐水性が高まるという。
また、アズテックは、ポリウレタン(PU)コーティングではないため、
PUの劣化や剥離による耐水性の低下はない。

使えば使うほど愛着が湧き、
多少、色落ちするが、(それがまた好い)
強靭な生地は、まるでレザーのように、使うほどに深みを増し、味がでる。
「カカポ35」は、もう8年以上使っているが、
痛んだ箇所はまったくなく、頑丈そのものだ。


「カカポ35」でマックパックの良さを確認した私は、
「海抜0mから海抜0mへ・屋久島単独完全縦走」の実施前の2012年4月に、
より容量の大きいマックパックのザック「カスケード60」を買った。


テント泊の登山をするときにはもちろん、


夏山遠征の訓練をするときにも、この「カスケード60」を利用した。


この7~8年は、
「カカポ35」と「カスケード60」があれば事足りたし、
これ以外のザックをまったく必要としなかった。
ところがここ数年、遠くの山へは行かなくなり、
近場の山ばかり登るようになって、「カカポ35」でも少し大きいと感じるようになってきた。
そして、
〈できれば30リットル未満のザックが欲しい……〉
と思うようになった。
そこで目を付けたのが、
マックパックの「ウェカ30」。

【ウェカ30】
●容量:28L
●重量:0.91kg
●サイズ:高さ50×幅30×奥行14.5cm
●素材:AZTEC(R)
●機能:シンプルな一気室のトレッキングパック/ハイドレーションバッグ対応/雨ブタに収納ポケット/段階で調整可能なチェストストラップ/ポケット付きヒップベルト/ストレッチボトルポケット

AzTec(R)素材の特徴を最大限に活かすmacpacクラフトマンシップが光る逸品。
切り替えを極力少なくすることで縫い目を減らし、
本体を最小限の生地枚数で形作ることで、
耐水性や生地の堅牢度が高いという特徴を最大限に高めている。
無駄を省き、シンプルさを追求した作りは、
の美しいシルエットからも感じ取ることができ、
バックパックとしての本来の機能性を高めると同時に、
アウトドアシーンを限定することなく幅広い使い方を可能にしている。


このシンプルなデザインに魅せられてしまった。
マックパックには、変わらぬひとつの哲学があって、それは、
「簡潔であることは、複雑であることに勝る」
というもの。
さまざまなアクティビティや厳しい条件下においては、
道具はシンプルであることがベストだということ。
シンプルだから壊れない。
仮に壊れても、シンプルだから修理できる。
丈夫で長く使えるということは、資源の節約や環境へのローインパクトにもつながる。
同時に、シンプルであることは、美しさや無駄のなさ、多機能をも内包している。


この飾りのないシンプルな美しいフォルムは、芸術的ですらある。
これからの私の人生において、この「ウェカ30」の果たす役割は限りなく大きいと感じ、
私は買う決意をした。
費用は、
以前、娘たちから“還暦祝い”にもらったお金を充てることにした。
〈何か大事なもの、長く使えるものを買うときに……〉
と、今まで使わずに取っておいたのだ。

買った「ウェカ30」を、どこでデビューさせようかと迷っていたが、
〈やはり、私のホームマウンテンである天山が好い……〉
と思った。
思い立ったが吉日。
今日は午後から仕事であったが、
〈朝駆け登山なら……〉
と、早朝、朝ごはんも食べずに天山へ向かったのだった。

今日は、上宮登山口から登ろうと思い、駐車場へ到着。
駐車場からは、まだ夜景を見ることができた。


さあ、出発。(フラッシュ撮影)


軽快に登って行き、
あめ山分岐を通過。(フラッシュ撮影)


振り返ると、美しいあめ山が見えた。


天山山頂に到着。




当然のことながら、誰もいなかった。
元旦の初日の出のときには100人近くの人がいたのに……ね。


記念に、「ウェカ30」こと、ウェカくんをパチリ。


いいね~


横顔も素敵だ。


今日は晴れの予報であるが、
東の方は、やや雲がある。


次第に明るくなってきた。


もうすぐ。


キタ~~~


ズーム。


もっとズーム。


最高!


お約束の「足長おじさん」。


誰もいない山頂に、


誰もいない稜線に、


朝陽が当たる。


ウェカくんにも朝陽が当たる。


このザックとは、これから長い付き合いになりそうだ。


美しい氷の芸術を見ながら、下山。






あめ山が一段と美しい。


太陽もぐんぐんと上昇を続ける。


駐車場に戻ってくる。


さあ、一日の始まりだ。


今日も「一日の王」になれますように~


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