MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ミッシング』

2024-10-05 00:57:29 | goo映画レビュー

原題:『ミッシング』
監督:𠮷田恵輔
脚本:𠮷田恵輔
撮影:志田貴之
出演:石原さとみ/青木崇高/森優作/有田麗未/小野花梨/小松和重/細川岳/山本直寛/柳憂怜/美保純/中村倫也
2024年/日本

隠されていた負の部分をあぶりだす事件について

 『Cloud クラウド』(黒沢清監督 2024年)の後に敢えて書くのだが、本作はオリジナル脚本とはこのように書くのだという見本のような作品である。主人公の森下沙織里の幼い娘の美羽が行方不明になって三ヵ月が過ぎ、沙織里は夫の豊と共に駅前でビラを配りながら娘を探している。その事件を巡ってテレビの記者である砂田裕樹の報道姿勢や沙織里が娘を放っておいて推しのアイドルのライブに行っていたという母親としても立場や沙織里が娘を託した弟の土居圭吾の引きこもりがちの精神状態など、次々と負の部分があぶり出される上に、SNSによる他人の悪意が加わってますます酷い状況に陥ってしまうストーリー展開が素晴らしい。
 ただ個人的に気になった点としてこれだけSNSに翻弄されているのだから、例えば森下夫妻にラインで美羽の居所の情報を提供すると誘い出しながら急にその情報提供者がいなくなるのだが、これは事前に警察に相談する案件のような気がするし、美羽が見つかったと警察から電話が来て森下夫妻が署まで出かけながら警察署ではそのような電話をしていないというのも、出かける前に警察署に改めて確認するような気もする。

gooニュース
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『Cloud クラウド』

2024-10-04 00:58:53 | goo映画レビュー

原題:『Cloud クラウド』
監督:黒沢清
脚本:黒沢清
撮影:佐々木靖之
出演:菅田将暉/奥平大兼/古川琴音/吉岡睦雄/山田真歩/矢柴俊博/森下能幸/岡山天音/荒川良々/窪田正孝/松重豊
2024年/日本

「バカ者たち」の乱射撃について

 『ラストマイル』(塚原あゆ子監督 2024年)が物流の問題を扱っていたのに対して、本作は転売の問題を扱っている。テーマの目のつけどころまでは良いとしても、やはりどうしても脚本が悪いのではないかと思ってしまう。例えば、主人公の吉井良介の引っ越し先の群馬の住宅兼仕事場まで滝本と三宅が襲撃しに来るのだが、吉井を追い詰めた時に壊れかけのコーヒーメーカーが破裂音を出し、何かと思って音がした方へ滝本と三宅が二人とも行ってしまうから吉井にまんまと逃げられるのである。常識で考えるならばどちらかが吉井を見張っているはずなのである。あるいはさらに村岡などが加わり、いよいよ吉井が人里離れた小屋に追い詰められるのだが、たまたま通りかかった猟師に向かって滝本がライフルで射殺し、その遺体を全員で始末し出すためにまたまた吉井に逃げられるのである。常識で考えるならば最低一人くらいは小屋を見張っているはずなのである。
 結局吉井に恨みを持つ者たちはいとも簡単に騙されてしまう馬鹿者たちのようにしか見えないのである。最後は吉井と吉井を助けに来た佐野が全員を射殺して勝ってしまい、つまり騙された方が悪いのだというメッセージを発してしまっているのだが、それでいいのか? いいのならば仕方がないのだが。


gooニュース
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『ラストマイル』

2024-10-03 00:57:24 | goo映画レビュー

原題:『ラストマイル』
監督:塚原あゆ子
脚本:野木亜紀子
撮影:関穀
出演:満島ひかり/岡田将生/阿部サダヲ/ディーン・フジオカ/大倉孝二/酒向芳/石原さとみ/麻生久美子/井浦新/窪田正孝/綾野剛/星野源/松重豊/火野正平
2024年/日本

「的を外す」物語について

 昨今問題となっている物流を俎上に載せながらエンタメ作品としてはよく出来ていると思う。ところで本作の最大の疑問とされているのは、5年前に作業所の3階から落下した西武蔵野ロジスティクスセンターの元従業員である山崎佑の事故の原因が不慮のものなのか、あるいは自殺ではなかったのかということで、それは何故か山崎のロッカーの扉の背後にかかれている「2.7m/s→0 70kg」という殴り書きの謎の記号でぼかされている。自分が飛び降りれば自身の体重であろう70キロを遥かに超える重量がベルトコンベヤーにかかってしまうことは本人も分かっているはずなのだが、視点を変えるのならばそれはまるで主人公の舟渡エレナがしばしば口にする、「的」を外す例え話のようでもある。
 さらにそれは山崎の恋人で、復讐のために連続爆破事件の犯人となる筧まりかの行動が、物流システムを改善させようという思いでしたことが結果的にさらに物流を混乱させるという暗示となるだろう。


gooニュース
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『ブルーピリオド』

2024-10-02 00:58:59 | goo映画レビュー

原題:『ブルーピリオド』
監督:萩原健太郎
脚本:吉田玲子
撮影:光岡兵庫
出演:眞栄田郷敦/高橋文哉/板垣李光人/桜田ひより/中島セナ/石田ひかり/江口のりこ/薬師丸ひろ子/会田誠/箭内夢菜
2024年/日本

美大の予備校の先生の「レベル」について

 山口つばさの原作の漫画は未読なのだが、成績は優秀だが家は裕福ではなく不良たちと付き合っている主人公で高校2年生の矢口八虎が、美術室で一つ上の先輩の森まるが描いた「天使の絵」に一目ぼれして、美術に関して何も知らないところから東京藝術大学合格を目指すという物語をどうにか上手くまとめたという印象である。つまりそれ以上の何かは無かったという意味である。むしろ気になるのは「素人」の八虎よりも「天才」の高橋世田介の方で、当初は八虎と同じ美大の予備校に通っているのだが、ある作品を酷評されてから世田介は予備校に来なくなるのだが、最後に東京藝術大学にちゃっかり合格しているのだから、そうなると美大の予備校の先生とは、そしてその先生に教わる意味とは何なのかと思ってしまった。例えば、誰もが天才と認めるピカソの作品は「ピカソ内」で優劣はあるものの、一般的には全て傑作なのである。
 しかし八虎の東京藝術大学の受験のシーンは丁寧に描かれており、このような過程で試験が進んで行くということはよく分かる。


gooニュース
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『愛に乱暴』

2024-10-01 00:57:35 | goo映画レビュー

原題:『愛に乱暴』
監督:森ガキ侑大
脚本:森ガキ侑大/山崎佐保子/鈴木史子
撮影:森重豊太郎
出演:江口のりこ/小泉孝太郎/馬場ふみか/水間ロン/青木柚/斉藤陽一郎/梅沢昌代/西本竜樹/堀井新太/岩瀬亮/風吹ジュン
2024年/日本

「正気」を保つ方法について

 主人公の初瀬桃子は妊娠したことをきっかけに前妻との間に子供がいなかった不倫相手の初瀬真守と結婚して8年が経つのだが、実は流産したことを伝えないままに結婚したことで真守の母親の照子に疑われたまま現在に至っており、表面上は仲のいい振りをしているが、本音を言い出すと終わらない口喧嘩がいつ起こってもおかしくはない状態である。
 頼りにしたい夫の真守は既に三宅奈央という愛人が存在しており、妊娠もしていることが分かったのだが、それは8年前の桃子自身でもあるが故に真守に強く言える立場ではないのである。
 それでも桃子は普通の生活を送ろうと努力するのであるが、週2回で講師と務めていた手作り石けんを作る教室は閉鎖となり、元の会社の上司である鰐淵部長は口だけで頼りにならず、実家に戻って姪や甥に囲まれることが必ずしも嬉しいわけではなく、だんだんと桃子は不安感に囚われる。
 そもそも桃子が飼いネコだと言う「ピーちゃん」は存在するのかどうか疑わしいし、ホームセンターで購入したチェーンソーで家の畳の床下を切り開いて見つけたアルミ缶の中にはベビー服があるのだから、桃子が呼んでいる「ピーちゃん」とは流産した子供のことで、ベビー服は自分が嘘をついていないことの証拠なのである。
 たまたまゴミ出しに行ったゴミ集積場で火災が起こっていた時に警官と遭遇してしまう桃子は、当然のことながら放火犯に疑われてしまうように、流産もたまたま桃子の身に降りかかった災難であり、それらは桃子自身にはどうしようもないことである。そんな時に赤の他人であるホームセンターに勤めている外国人の李に「いつもゴミをきれいにしてくれてありがとう」と言われた言葉がどれほど桃子を励ましてくれたか想像に難くない。


gooニュース
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『お母さんが一緒』

2024-09-30 00:58:21 | goo映画レビュー

原題:『お母さんが一緒』
監督:橋口亮輔
脚本:橋口亮輔/ペヤンヌマキ
撮影:上野彰吾
出演:江口のりこ/内田慈/古川琴音/青山フォール勝ち
2024年/日本

緊張感が感じられない映画について

 ストーリーは悪くはないし、「お母さんが一緒」と言いながら三姉妹の母親が最後まで姿を現さない演出も面白いと思うのだが、何かが足りないと感じていたら、『ぐるりのこと。』(2008年)や『恋人たち』(2015年)を撮った橋口亮輔監督作品とは思えないほど映像に緊張感が感じられないのであり、何かの間違いではないかと思ったら、本作は「CS放送『ホームドラマチャンネル』が制作したドラマシリーズを再編集して映画化」ということで納得した。それはNHK BSで放送された吉高由里子主演のドラマ『風よ あらしよ』の劇場版にも感じたことで、やはりドラマの再編集はドラマとして演出されている以上、上映時間以外には「映画」にはならないのである。
gooニュース
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『違国日記』

2024-09-29 00:59:24 | goo映画レビュー

原題:『違国日記』
監督:瀬田なつき
脚本:瀬田なつき
撮影:四宮秀俊
出演:新垣結衣/早瀬憩/夏帆/瀬戸康史/小宮山莉渚/中村優子/伊礼姫奈/滝澤エリカ/染谷将太/銀粉蝶
2024年/日本

姉妹が疎遠の原因について

 『PARKS パークス』(2017年)、『ジオラマボーイ・パノラマガール』(2020年)と佳作が続いた瀬田なつき監督の新作を楽しみに待っていた甲斐があって観に行った。悪い作品ではないと思うのだが、物足りなさを感じた理由は、どのエピソードもどこかで聞いたようなもので、本作がはたして、35歳の見知りな女性小説家である高代槙生でなければ、あるいは不慮の事故で亡くなった、彼女の姉の実里の娘である15歳の田汲朝でなければ描けない物語だろうかと思ったのである。
 その物足りなさとは槙生と姉が不仲であった原因がよく分からないからであろうが、全く分からないわけではなく、いつまでも小説など書いていないで現実と向き合えと自分の仕事を否定されたことを槙生は恨んでいるようではある。しかし朝を自ら引き取って育てられるくらいなのだから、槙生が金銭面で困窮している様子もなく、寧ろ小説家としてはマンションに住んで良い生活をしている方なのだから、20代の頃ならまだしも、35歳で食べていけているのならば姉がいつまでも妹の人生を否定していたとは思えないのである。そのような点がぼやかされているためにストーリーに力を感じないのである。だから朝のみならず槙生に対しても姉が手紙が残していればもう少し分かりやすくなったと思うのである。


gooニュース
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『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』

2024-09-28 00:55:20 | goo映画レビュー

原題:『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』
監督:小林啓一
脚本:大野大輔
撮影:野村昌平
出演:藤吉夏鈴/髙石あかり/久間田琳加/中井友望/綱啓永/外原寧々/ゆうたろう/筧美和子/石倉三郎/高嶋政宏
2024年/日本

主演の演技力について

 そもそも本作を劇場で観賞することがなかなか大変だった。近所の映画館でようやく上映されると思っていたら、一週間で上映終了になることが何度か続いて、ようやく遠出をして観れた次第である。
 つまり集客に難儀しているということで、確かにストーリーは破綻気味なのだが、小林啓一監督の演出で何とかなっているような感じではあって、例えば、主人公の所結衣と杉原かさねが野外で会話している背後でちゃんと列車は通過するし、列車が映ってなくても通過音だけは入れているから、演出は丁寧なのである。映画なのだからそれだけでも観た甲斐があったと個人的には思う。今どき新聞紙が舞うシーンももう二度と見れないかもしれない。
 問題は主人公の所結衣を演じた藤吉夏鈴の演技だと思う。藤吉の演技を上手いと褒めている映画評論家もいるが、常識で判断するのならばとても褒められたものではないであろうが、ラストの演説も含めてナレーションは上手いと思った。だからナレーションが多いわけでもないのだろうが。
 小説コンクールの表彰式で最優秀賞を受賞した西園寺茉莉が内容を問われて「まだ読んでないからわかりません」と答えるシーンがある。「松本伊代か!」と心の中でツッコんでおいた。もうこの件を憶えている人も少なくなっているだろうが。
gooニュース
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『スオミの話をしよう』

2024-09-27 00:59:59 | goo映画レビュー

原題:『スオミの話をしよう』
監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
出演:長澤まさみ/西島秀俊/瀬戸康史/戸塚純貴/松坂桃李/遠藤憲一/小林隆/阿南健治/梶原善/宮澤エマ/坂東彌十郎
2024年/日本

意外とユーモアが無いベテラン俳優について

 『ギャラクシー街道』(2015年)と『記憶にございません』(2019年)と観て来て、もはや三谷幸喜作品にはそれほど期待せずに観に行ったのだが、思った以上のスベり具合だった。冒頭の室内における長いワンシークエンスショットの撮影方法にストーリーにおけるどのような効果があるのかよく分からない。
 しかし何よりも問題なのは三谷幸喜作品に初参加の松坂桃李はともかくとして、同じく初参加で普段は上手いとさえ思わせる西島秀俊の演技にユーモアが全く感じられなかったことで、ただでさえスベっているのに西島の演技でスベリ具合を加速させているようにさえ見えたものの、主人公を演じた長澤まさみと三谷作品常連の宮澤エマの頑張りで辛うじて観るに耐えられるものにはなっているのではないだろうか。
 ところで何故ヘルシンキなのかと考える時、『かもめ食堂』(荻上直子監督 2006年)が関係しているのかと思うのは穿ち過ぎなのだろう。


gooニュース
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『夏目アラタの結婚』

2024-09-26 00:59:27 | goo映画レビュー

原題:『夏目アラタの結婚』
監督:堤幸彦
脚本:徳永友一
撮影:神田創浩
出演:柳楽優弥/黒島結菜/中川大志/丸山礼/立川志らく/福士誠治/今野浩喜/平岡祐太/藤間爽子/佐藤二朗/市村正親
2024年/日本

新人監督を装うベテラン監督について

 違和感が拭えない演出だった。主人公の夏目アラタが死刑囚の品川真珠に面会する際に、男性の刑務官が立ち会っているのだが、目立たないような感じで演出すればいいものをどうも悪目立ちしていて何かのキーパーソンかと思って観ていたら何にもなかったので逆に驚かされた。
 ラストシーンにも違和感を抱いた。それまでシリアスとして描かれていたと思うのだが、最後になってアラタが真珠と結婚式を挙げるシーンが挟まれる。もちろんこれはアラタの幻想なのだが、急にファンタジー感を出すなどしてどうも監督に演出における信念を感じなかったから、本作がデビュー作の新人監督が撮ったのかと思ったら、エンドクレジットで堤幸彦という名前を見て逆に度肝を抜かれた。黒島結菜がどれほど頑張ってもこれでは報われないと思った。
 主題歌となっているオリヴィア・ロドリゴの「ヴァンパイア」を和訳しておきたい。

「vampire」 Olivia Rodrigo 日本語訳

「あなた今どうしてるの?」なんて訊ねながら
満足感を与えることが気に食わない
あなたが気にかける振りをしている人たちから離して築いた城はどうなの?
まさにあなたが欲しがっていたもの
目にしたあなたはかっこいい奴で
それを手に入れた
時々目を閉じると私は数々のパーティーやダイアモンドが目に浮かぶ
まるで禁じられた楽園のように
あなたは半年の拷問を売ってきたんだ
私は本当にあなたを愛していた
あなたはその愚かさにゲラゲラ笑っていたに違いない

だって私はいくつかマジな大失態を犯していたけれど
あなたはその最悪の失態でさえ良い感じのように見せるのだから
それはおかしかったと私は気づくべきだったのよ
あなたは夜だけ現れる
私は自分は頭が良いと思っていたのに
あなたは私を全くの世間知らずのように見せかけた
あなたは分割して私を売った
あなたの歯が私の体に沈みこみ
吸血鬼、有名なファッカー
忌々しいヴァンパイアのように私の血を吸いつくす

私が話しかけたどの少女も
あなたの酷い噂を私に教えてくれた
あなたが彼女たちのことをクレイジーと呼んでいたから
私も彼女たちのことをクレイジーと呼んでいたことを呪った
あなたは自信満々なのね
どうやってあなたは堂々と嘘をつけるの?
(どうやってあなたは嘘をつくの?)
何て魅惑に満ち、痺れさせ、困惑させるかわいいスリルなの!
あなたがどうやってそれをするのか私には理解できない
私は決してそんなことはしないと神ならば分かっている
彼は彼女ではなくて私を狙った
だってあなたと同じ年齢の少女たちならば良く分かっているのだから

だって私はいくつかマジな大失態を犯していたけれど
あなたはその最悪の失態でさえ良い感じのように見せるのだから
それはおかしかったと私は気づくべきだったのよ
あなたは夜だけ現れる
私は自分は頭が良いと思っていたのに
あなたは私を全くの世間知らずのように見せかけた
あなたは分割して私を売った
あなたの歯が私の体に沈みこみ
吸血鬼、有名なファッカー
忌々しいヴァンパイアのように私の血を吸いつくす

これこそ本物の愛だとあなたは言ったけれど
本物の愛はこんなに大変だったかしら?
あなたは誰も愛することができない
だって愛せるならばあなたに心があるという意味になるでしょう?
私はあなたを救い出そうと努力したけれど
私には無理だったのね
だってあなたの物の考え方は
私には全く理解できない類いのなのだから

だって私はいくつかマジな大失態を犯していたけれど
あなたはその最悪の失態でさえ良い感じのように見せるのだから
それはおかしかったと私は気づくべきだったのよ
あなたは夜だけ現れる
私は自分は頭が良いと思っていたのに
あなたは私を全くの世間知らずのように見せかけた
あなたは分割して私を売った
あなたの歯が私の体に沈みこみ
吸血鬼、有名なファッカー
忌々しいヴァンパイアのように私の血を吸いつくす

Olivia Rodrigo - vampire (Official Video)

Watch OLIVIA RODRIGO Perform "VAMPIRE” live at the 2024 GRAMMYs

gooニュース
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